カテゴリー「恐竜・古生物」の記事

ひょうご恐竜化石国際シンポジウム その1

2013年3月18日 / 恐竜・古生物

●3月16、17日
ひょうご恐竜化石国際シンポジウム
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1日目
この日がメインのシンポジウム。
国内外の各分野の第一線で研究されている方の発表ばかり。
発表中は撮影禁止でしたので、
会場の様子はこちらを。
シンポジウムの前日に報道された原始的な鳥類の4枚羽根説を
いち早く盛り込んだ徐星さんの発表に代表されるように
各発表ともまさに恐竜・古生物研究の最前線。
個人的には、植物化石研究の山田敏弘さん
「復元画等で背景の植物が結構いい加減な扱いになっている事が
 多いのが悲しい」
哺乳類化石研究の楠橋直さん
「中生代の哺乳類の姿の例えとして「ネズミに似た」と言うと、
 「恐竜時代にいたネズミ」と報道されてしまい困った事も。
 似ているだけで、決してネズミではありません!」
というコメントも印象的でした。
と、非常に本格的な内容だったのですが、講演の合間や
終了後には
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こういった、先生方との交流もアチコチで。
発表終了後、ひとはく恐竜ラボに行くと、
ちょうど化石クリーニング担当の和田さんが居られたので、
お仕事の話を聞くことが出来ました。

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和田さんは、去年のsvp・古脊椎動物学会でポスター発表
された方。今や、日本を代表する化石プリパレーターの一人と
言って良いでしょう。
夜は、シンポジウムで発表された研究者の皆さんや
翌日のイベントを担当する私や小田隆さん、所十三さん等と
一緒にホテルに宿泊、夕食会。

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移動中。
一番手前左側から、平山廉さん柴田正輝さん
所十三さん徐星さんジェームズ・カークランドさん
渡部真人さん 對比地孝亘さん
宿泊先はささやま壮。篠山市からも恐竜化石は産出しています。
そもそも、丹波竜やその他の恐竜・古生物が発見された地層が
篠山層群と呼ばれています。

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そして、篠山といえばやはりボタン鍋。美味しかった!
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小田さんが担当した2013年版丹波竜骨格図を大きくプリントアウトした
ものを一足先に研究者の皆さんに公開、、、、って、
フランスからのゲストで、今回の発表者の一人、
ロマン・アミョさんが骨格図広げるのを手伝ってる、、、。

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それを撮影する皆さん
せっかくなので、この日の夕食会参加者全員で
その骨格図にサイン。

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カークランドさん、サイン中
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こちらは平山廉さん。

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カークランドさんに、私が原型を製作した
「モンゴル恐竜化石展」会場限定フィギュア
タルボサウルス・サウロロフス
を進呈。
Facebookでこのフィギュアを紹介した処、カークランドさんから
メッセージを頂き、それなら来日の際にプレゼントしようと
用意していたのです。
中央は、このフィギュアの監修を担当していただいた
渡部真人さん。
其の後、カークランドさんはfacebook上で
「このサイズ、この価格の物としては、今までで最高の
 復元でしょう! (このシリーズが)もっと欲しい!」
というコメントを寄せて下さいました。
このフィギュアの製作にあたっては、私と渡部さんの間で
「オモチャと言えども、学術的にもしっかり語れる
 復元と精度にしよう」という思いで始めました。
なので、カークランドさんのコメントは、私にとっては
まさに一番の言葉なのです。
次回に続く

恐竜・古生物関連いろいろ・その2

2013年2月15日 / 恐竜・古生物

主にツイッターで紹介した恐竜・古生物関連のネタのまとめ、その2
前回のその1はこちら

イギリス・ロンドン自然史博物館の紹介動画。
古脊椎動物としては、首長竜、魚竜の展示が有名ですね。
自然史博物館としては世界トップの規模、
もちろん恐竜・古生物、特に海棲爬虫類好きとしては
外せない場所なのですが、まだ行った事無いんですよね、、、、。

ティラノサウルスの幼体と言われている、愛称”ジェーン”と、
そのジェーンを発見、研究・展示しているバーピー自然史博物館の
研究者さんの紹介。
私の作品も、この動画に登場するマイク・ヘンダーソン氏に
見ていただき、プロポーションに関してアドバイスを頂いて製作しました。

このブログでは、もう御馴染みと言っても良い、
シカゴ大学の恐竜・古生物復元アーティスト・
タイラー・ケイラー氏のデジタルモデリングによる
恐竜復元の紹介。
タイラー氏は、上の動画のジェーンの頭骨復元・
頭部生体復元模型も製作されています。
また、「恐竜の復元」「ほんとのおおきさ恐竜博」では
一緒に仕事もしました。

フィールド自然史博物館のティラノサウルス”スー”の組み立て、
カーネギー博物館の恐竜ホールのリニューアル等を手掛けた
フィル・フラレィ・プロダクションの紹介。
社長さんやスタッフの方とは、学会で顔見知りになり、
ピッツバーグの工房には、以前見学に訪れた事があります。
最新の研究を取り入れ、かつ自然なシルエットの骨格組み立てを
行っています。

新作更新&古生物学会参加&「モンゴル恐竜化石展」

2013年1月23日 / 恐竜・古生物

ギャラリーサイト
新作「ドレパノサウルス」を更新しました。
●恐竜・古生物イラストサイト
「Extinct Creatures」にもクリオロフォサウルスを更新しました。
●今週末の日本古生物学会に参加します。
当社所属の古生物研究者・荻野によるポスター発表
「古生物学普及のための異分野連携の試み」、
また、25,26日の会場にはRC GEAR 、当社と古生物アイテムを
共同製作のパイライトスマイル と一緒に出店もします。
今回の学会は、恐竜・古脊椎の発表が多めのような。
「学会って?」という方も、一度プログラムに眼を通してみては
如何でしょうか?
発表のタイトルからでも、現在の研究の雰囲気が
伝わってくるかと思います。
・・・・・・・・・
20日、「モンゴル恐竜化石展」で開催の
「ゴビ砂漠・恐竜発掘隊員に聞いてみよう」を聞きに会場へ。
これで今回の恐竜展には5回目かな?
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ギャラリートークの様子。
赤い服の方が講師の松本さん(林原自然科学博物館) 
サウロロフスとタルボサウルスの歩き方等をメインに解説。

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ギャラリートーク終了後の松本さんと。
恐竜の歩き方の研究や、画像にも写っているあの見事な
プロトケラトプスの骨格を組み立てた方。
当然、この一角で会話が盛り上がります。

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これがそのプロトケラトプス。
プロトケラトプスとしてだけでなく、恐竜の復元骨格
としても現時点で非常に精度の高いものの一つなのでは。
恐竜展ショップでは、この復元を元にした骨格図ポスターも
販売されていますので、そちらも是非。
会場では、会期中もこれからも様々なイベントが
予定されています。
いろんな分野の研究者・専門家のお話を聞ける
貴重な機会です。
私が原型製作を担当した会場限定フィギュア
タルボサウルスサウロロフスも宜しくです。

新コーナー「世界の恐竜博物館見聞記」

2013年1月11日 / 恐竜・古生物

本サイトに
「世界の恐竜博物館見聞記」を新設しました。
といっても、このブログでの海外の博物館見学レポートを
博物館別に並べただけです。
ブログでの前後の流れがあるので、レポート記事としては
纏まりが悪い部分もありますが、そこはご容赦を。
改めてこうやって見ると、学会絡みでの訪問や
個人的な好みのせいで、結構偏った感じかな~と。
ロイヤルティレルやロンドン自然史博も行ってませんし
(カナダ、イギリスにも行ったのですが寄らなかった)、
中国もまだですね。
あと、2010年のSVPの時にカーネギー博物館には行ったんですが、
画像のネット掲載は不可という事なので紹介出来なかったのも残念。
あそこのアロサウルスは今まで見た中でもトップクラスなのですが。
カーネギーと言えばコレ!のディプロドクス・カーネギーや
アパトサウルス・ロウイサエ(ルイザエ)も素敵でした。
きしわだ自然資料館で定期的に開催している
「きしわだ恐竜教室・子供の部」の後の「大人の部」では、
ブログでは紹介出来なかった画像も交えて、訪れた博物館の
話をする事も多いので、興味のある方はまた次の機会に
ご参加頂ければ。

サウロロフス・「モンゴル恐竜化石展」限定フィギュア第二弾

2013年1月7日 / 恐竜・古生物

先日紹介のタルボサウルスに続き、
現在大阪市立自然史博物館で開催中の特別展
「モンゴル恐竜化石展」会場限定フィギュア第二弾
サウロロフスの販売が年明けより始まりました。

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今回も私が原型を製作。
商品製造はフェバリット社

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タルボと並べて。
今回も林原自然科学博物館の監修の基、様々な研究成果を
反映させています。例えば、
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前肢の爪が2本だけなのもその一つ。
三本目の指に爪が表現されていないのは塗り忘れでなく、
監修の先生からの指示なのです。
また、そういった研究を反映させる事に加えて、
林原が発掘・研究した標本、そしてそれを元にした
骨格図を参考にする事で、単に「サウロロフス」ではなく
「林原さんとこのサウロロフス」としての表現を目指しました。
原型を見た林原のスタッフの方からも
「ちゃんと見慣れた顔、スタイルになってるな~と思いました」
と言って頂けたので、目標は達成できたのでは、と。
フィギュアの企画会議の折、最初はタルボサウルスだけの
予定でした。私も売り上げ面だけならタルボだけのほうが現実的では、、、
と言ったのですが、この特別展を担当されている読売新聞の方が
「タルボは当然ですが、林原&モンゴルという今回の特別展なら
 サウロロフスは欲しいです!」と力説。商品化になった、
という経緯が。そういった意味では、タルボ以上に関係者の
思い入れの大きい商品かも知れません。
一方、先行して発売されていたタルボサウルスですが、
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クリスマスシーズン前に、店頭見本に赤いマフラーが(笑)
ショップのスタッフの方のアイディアだとか。
その後、サウロロフスの発売に合わせジオラマ仕立てに
なったりと、一緒に商品を楽しんで下さっているのが分かります。
こういうの、嬉しいですよね。
近々、このブログもしくはUstream配信
タルボサウルス&サウロロフスの製作話や拘りの解説が
お話出来れば、と考えています。

教室&シンポジウム&イラストブログ更新

2012年12月20日 / 恐竜・古生物

●1月14日
兵庫県丹波市・丹波竜化石工房
恐竜ワークショップを行います>詳細
今回は、午前はアパトサウルス骨格復元
午後はディノケシ・ティラノサウルス頭部復元です。
また、この日は同会場で現在開催中の私の作品展の
最終日でもあります。
●少し先ですが、来年3月16、17日の2日間、
兵庫県立人と自然の博物館と丹波竜化石工房を
会場に「ひょうご恐竜化石国際シンポジウム」が開催されます。
講演者、凄い顔ぶれです。
海外からの講演者の徐星氏は、ミクロラプトルや
ユティランヌスの記載・命名の他にも数多くの恐竜の
研究・発表で著名な研究者。またジェームズ・カークランド氏は
ヨロイ竜・ガストニアや原始的なテリジノサウルス類・
ファルカリウスの記載・命名者
(この2体は、全身骨格レプリカが丹波竜化石工房に展示されています)。
海外の恐竜番組にも数多く出演されています。
もちろん、その他の研究者もそれぞれの分野の最先端の研究を
されている方ばかりです。
そして、そんな面子を前に、私(&小田隆さん)も、
何やら話をしなければならないのですが、、、
●恐竜・古生物イラストブログ
「Extinct Creatures」を更新。
今回はキヤモドゥス
2011年のSVPの時に知り合った板歯類研究者さんの
研究をメインの資料に描いてます。

特別講演会「恐竜時代を生き抜いたトカゲたち」

2012年11月30日 / 恐竜・古生物

11月24日 岸和田で開催された
特別講演会「恐竜時代を生き抜いたトカゲたち」(PDFデータで開きます)
に参加してきました。

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講演開始直前の様子。
有鱗目、という括りで化石種から現生種までの研究を
一度に聴ける機会というのは、なかなかある事ではありません。
また、講演者はもちろん聴講者も豪華な顔ぶれ。
講演終了後は、会場から歩いてすぐの
きしわだ自然資料館の見学。
ここには、クリダステスの新復元版全身骨格を含む
世界最新と言って良いモササウルス類展示があります。

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各分野のエキスパートが骨格展示を前に
ディスカッション。研究者によるジャムセッション
と言ったノリでしょうか?それを生で聴けるのですから
なんとも贅沢な盗み聴き(?)です。

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化石から現生までそれそれの最先端の研究を聴き、
専門家の皆さんと展示見学、そして懇親会での交流と、
これぞ古生物学を楽しむ事の醍醐味が凝縮した
1日だったかと思います。また一般の方の参加も多く、
規模的にも大きな学会では無い分、化石・古生物好きと
研究者さんの交流が活発に出来る良い機会だったのでは。
今回の講演会の主催でもある化石研究会では、
毎回興味深い話題でのシンポジウムを日本各地で
行っています。お近くでの開催の折などは
是非ご参加を!

作品展at丹波竜化石工房&Tシャツ販売開始

2012年10月27日 / 恐竜・古生物

SVPレポートの途中ですが、、、、
●10月30日より、兵庫県丹波市・丹波竜化石工房にて
作品展がスタートです。

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また、12月1日には毎年恒例となった
「丹波竜フェスタ よみがえれ丹波竜!」も開催。
こちらの詳細はまた後日。
博物系Tシャツブランド・パイライトスマイル
当社・ACTOWのコラボTシャツの販売がスタートしました。

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(画像はパイライトスマイルwebサイトより)
自分の作品が、こんなにカッコ良くデザインされるとは
思っていませんでした。
また、パイライトスマイルさんは、ただ私の作品を使うだけでなく、
熱心に恐竜・古生物の勉強もされています。実は、
先日の幕張の恐竜博も一緒に見学、
着眼点や観察眼には私も関心しました。
「博物系」という切り口も楽しいブランドです。
SVPにも試作品を持参、会場で着用していたら、
複数の方に「どうやったら買えるの? 海外への通販は?」
と早速の反応。
パイライトスマイルさんとは、今後も古生物シリーズの展開を
予定しています。ちょっと今までなかった恐竜・古生物Tシャツが
お見せできると思いますので、お楽しみに。
 

プシッタコサウルス

2012年10月10日 / 恐竜・古生物

前回、自作のパラサウロロフスの画像を送って下さった
中学生の方が、また新作・プシッタコサウルスの画像を送って
下さいました。

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今回も、全身のシルエットだけでなく、各部分のライン、
色も奇麗な作品です。
全身のシルエットにガタツキが無く、奇麗なラインに
なっているのは、骨格が間違っていない&関節に大きな脱臼が
無い事の一つの目安になります。
後肢の筋肉のメリハリや指の表情も良いですね。
今回は芯に針金が入っているので、片足立ちのポーズも
見事に決まっています。

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パステル調の色使い・配色が造形の作風とも良く合っています。
痕跡が残っている化石の発表で話題になった尻尾の
繊維状組織も再現されています。材料は魚の骨!
確かに細さも強度も兼ね備えた材料です。
これにはビックリ&感心しました。
これだけ骨格や筋肉をちゃんと意識して
造形出来ているのは凄いですし、また作品としての
個性と魅力がしっかりあるのも楽しいです。
こういう作品を見せて貰えるのは、私のほうも
いろいろと勉強になり嬉しいですね。

恐竜・古生物関連いろいろ

2012年9月28日 / 恐竜・古生物

主にツイッターで紹介した恐竜・古生物関連のネタのまとめです。

州立シュトゥットガルト・レーヴェントール自然史博物館
個人的に一押しの古生物博物館。

ローゼンステイン博物館紹介動画。上のレーヴェントール博物館と同じ公園内にある(といっても、徒歩10分くらい)、現生動物メインの自然史博物館。すぐ近くにはヴィルヘルマ動物園も。

ケノーシャ・ダイノソア・ディスカバリーミュージアム。獣脚類の研究で著名なトーマス・カー氏が展示プランを担当したとの事。規模は大きくなさそうですが、獣脚類の充実度が凄いです。お座りアロサウルス骨格は珍しいですね。

友人のパレオアーティスト・タイラー・ケイラーさんの動画。シカゴ大学で恐竜・古生物の骨格&生体復元模型製作をしています。上のケノーシャ・ダイノソア・ディスカバリーミュージアムの情報は、ケイラーさんに教えてもらいました。

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