カテゴリー「2011年 ニューヨーク」の記事

ニューヨーク・アメリカ自然史博物館 その3

2011年11月10日 / 2011年 ニューヨーク

その1その2からの続きです。

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エントランスにある仔バロサウルスと同じサイズの復元模型。かなり良い出来。

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階段の手すり
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小さな化石魚類の群れ。スイミーの先祖と思われる個体に拡大鏡が付けられています(ウソ)。
ここから化石哺乳類。
展示骨格数は相当な数。

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ゴンフォテリウム
種類や標本によってプロポーションに結構差異があるゴンフォテリウムの中でも、
一番一般的なものかも。

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ラモケロスを追うアンフィキオン。
アンフィキオンはベアドッグと通称されています。
その名の通り、熊と犬の近縁の動物(らしい)。

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ユーリノデルフィス。
長く延びた上顎吻部が特徴の化石種クジラ。
魚竜でもユーリノサウルスが同じような吻部を持っています。
日本でも瑞浪で近縁種の化石が出ていたかと。

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いろいろあります。というか、哺乳類はほぼ全般何かしらの形でカバーしているはず。
そして!
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頭が高い!モスコプス様である!
哺乳類の祖先の系統にある獣弓類の一種。
全身骨格がここ以外に何処にあるか判りませんが、とにかく珍しいのです。
個人的には今回一番の目玉。

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こうして、モスコプス様の後ろ姿を見られる日が来るとは!ありがたや、、、。
古生物以外の展示も少し。

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これ、子供の頃に本で見ました。剥製も結構古いものも多いですが、
逆に数十年前にこれだけの物が造られている事に驚く。

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鳥のジオラマ部屋。この辺から「行っても行っても終わらねぇ!」と唖然としてました。

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爬虫類・両生類部屋 
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凛々しいコモドオオトカゲ。

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霊長類部屋
画像は古脊椎動物化石関係だけは何とかほぼ撮影。
その他、剥製等の現生動物関係は駆け足で見学、撮影もちょこっと。キャプションなんてほとんど読んでない。人文、天文等に至っては移動(というか迷った)の時に一部を通っただけで、見ていない場所多数。2日間で10時間はいたんだけどなぁ。
その1でも紹介しましたが、ミュージアムショップが館内に何カ所か。

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恐竜展示室のショップ
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これはカエルの特別展のショップ。

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こちらはピンボケですが、恐竜特別展用のショップ
でまた、この辺のショップの品ぞろえがメインのショップと結構違うのです。グッズをチェックするだけで大変。

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私が原型製作したフィギュアの画像がパッケージに使われた商品発見。多分、中身とは関係ないはず。
さて、博物館見学2日目は10月31日、
つまりハロウィンだったのです。

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入場券売り場の皆さんも仮装
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ミュージアムショップもハロウィン仕様。

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午後4時頃から、仮装した子供が館内に増え始める。と、共に、館内の各部屋にテーブルが置かれ、子供達へのワークショップコーナー等が始まる。開館時間も延長。夜の時間の入場にはハロウィンチケットが必要。

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こんな方々まで現れる。展示物が見えなくなる事とか、お構い無し。 この頃になると、仮装していないほうが肩身が狭くなる状態。館内にはちっこい蜘蛛男や、コウモリ男、アダマンチウム男がうろちょろ。最近の映画版の今風な姿ではなく、アダマンチウム男は黄色、コウモリ男は全身タイツスタイルで和む。

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荒バロと謎のモンスター達(元ネタが分らん)。
午後5時過ぎに一端ホテルへ。ホテルのフロントもハロウィン仕様。 遠慮なく入ってくる子供達にお菓子ばら撒いてました。
一休み後、流石に博物館見学だけで終わるのも何なので、街に出る事に。 折角なので地下鉄使ってみようと。で、地下鉄の切符買ってホームに入った所でガイドブック忘れてきた事に気づく。まぁ、目的地の場所はうっすら覚えてるし、何とかなるだろう、と、そのまま出発。
最寄駅に着くと、出口の広場は人で一杯&仮装の人も一杯。街中ハロウィン。

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ちょっと道迷ったけど、無事到着。
18マイル分の本、の謳い文句で有名な大型古書店、ストランド書店。在庫は100万冊とも200万冊とも。古書店の本等を読んでいると何度も出てくる書店で、一度どんなところか見てみたかったんですよね。前日、お宅に伺った知り合いから、恐竜関係は地下1階だよ、と教えて貰っていたのでチェックしましたが、結局コレという本はありませんでした。でも、この書店に来れただけで満足。記念にオリジナルトートバックは買いました。

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途中、地下鉄乗り換え駅でもあったので、タイムズスクウェアにも寄り道。
キャプテン・アメリカやマイケル・ジャクソンがウロウロしてました。
翌日、予約していたシャトルバスでニューアーク空港へ。
NYの朝の渋滞も堪能しました。
・・・・・
アメリカ自然史博物館の感想ですが、
デカイ!とにかくデカイ!
に尽きます。と、それだと何だか大味な印象がありますが、もちろん展示の質が高いのは前提です。とはいえ、恐竜の組み立て骨格の復元は古いままのものが多かったり、他の博物館にもっと精度が高いものもあったり、質の面で他の追随を許さない、というほどでは無いかも知れません。日本の大型博物館でも結構良い勝負出来るんじゃない、という印象も。ただ、そこに規模、そしてこの博物館で蓄積されてきた研究の歴史、という要素が入ると、話が違ってきます。研究史を変えたアレ、恐竜のイメージに多大な影響を与えたアレ、というのがゴロゴロしています。比較するにも、他の博物館とは展示物の数が違いすぎて、比べて語るのも何だかな~、という気も。あと、個人的には恐竜以外の古脊椎動物展示に恐竜の展示以上の魅力を感じました。特に哺乳類の充実度は凄いです。一方で、この博物館を見た事で、日本の国立科学博物館の化石哺乳類展示の凄さを改めて実感したり。
もし、アメリカ自然史博物館全体をじっくり楽しむ気であれば丸1日は必須。そこに画像撮影等の目的があれば、2日は用意しておいたほうが良いです。逆に半日程度で駆け足で見るのは勿体無いです。

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各フロアと展示室の案内板。今回のレポートでは紹介出来たのは、この1/3くらい。
ちなみに、館内で配布されている日本語パンフレットによると、「アメリカ自然史博物館は、入場料、会費および寄付によって運営されている民間の非営利教育団体です。ニューヨーク市が博物館の建物と土地を所有し、その運営・維持費の資金提供を行っています」との事。

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博物館前で。
SVP2011ラスベガス編に続く。
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ニューヨーク・アメリカ自然史博物館 その2

2011年11月8日 / 2011年 ニューヨーク

前々回の記事に続き、アメリカ自然史博物館の
展示の一部を紹介。

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ティラノを別角度から。
仲間内では標本番号から5027と呼んだりしますが、何か公式の愛称があるのかな?
壁側にいるのはアルバートサウルス・リブラトゥス。
今はゴルゴサウルス・リブラトゥスで良いのかな?
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アロサウルス。 こちらは昔のまま。でも、復元的には今でもあまり違和感は無いかも。このアロを含め、全体的には骨格復元に関しては古いままのものがほとんど。子供の頃から本等で親しんだ物が見れるのは、それはそれで感慨深いものがあります。後ろの壁は、これもアルバートサウルス・リブラトゥス。

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コリトサウルス。ほぼ完全な骨格に、皮膚痕まである事で有名な標本。

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トリケラトプス。

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スティラコサウルス。 子供の頃、本でこの展示を見て、手がパーなのが印象の強い展示でした。写楽の絵に似たポーズあるけど。角竜だけに頭もデカイし、なんとなく大首絵テイスト。他に連れがいたら、ジャンケンしてる画像を撮って貰いたかったんだけどな~。こういう時、一人旅は残念である。
ここからは恐竜以外ネタ
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まずカメコーナーからメイオラニア。
化石カメ研究で著名なユージン・ギャフニー氏がこの博物館のキュレーターという事もあってか、カメ関係の展示が充実しています。

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Geochelone, 読みはゲオケロネ?
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Stupendemys(ストゥペンデミュス)
史上最大の淡水性カメ。甲羅は海遊館や名古屋港水族館にも展示があります。甲羅しか見つかってないそうで、他の部分は近縁種からの復元とか。

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Chisternon(キステルノン) 地味に変わったデザインのカメ。カメの進化的にも面白い種類だそうです(と、カメ先生に教えて頂きました
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ギャフニー氏の研究で有名なプロガノケリスも当然あります。

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で、カメコーナーの表示。スクトサウルスが混じってます。スクトサウルスを含むパレイアサウルス類がカメの先祖の候補として有力視されていましたが、現在は少数派の説(で良いのかな?)。系統別の展示はこういう事もあるんだなぁ、と。 
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なので、カメのすぐそばにスクトサウルスがいます。東海大自然史博のものとは違ったスタイルです。
他の爬虫類・両生類等
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フィトサウルス類のルティオドン。ちょうどここに居る時に、日本人の親子連れが来て「わ~、ワニだね~」と。解説しようかどうか迷った(結局解説しなかったけど)。

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ディプロカウルスの成長過程での頭部の形状変化
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ディプロカスルス復元模型。「恐竜の復元」に参加して貰った、ゲイリー・スターヴ氏の作品。

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プレストスクス。

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トリロフォサウルス。

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ディアデクテス。
両棲類と爬虫類の端境の微妙な位置っぽいんですが、詳細や現在の研究が判らないのです。

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ヘノドゥスプラコドゥス
ドイツより先にこっちに来ていたら、きっと狂喜乱舞してたでしょうけど(笑)。それでもやっぱり見れると嬉しい。板歯類の全身骨格を見れる機会はそうそう無いですから。

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コティロリンクス。今でもコティロリンクスと言えばオクラホマの全身立体骨格ではなく、コチラが有名かも。
続く
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ニューヨーク・アメリカ自然史博物館

2011年10月31日 / 2011年 ニューヨーク

前回の記事ですっかり忘れていましたが、

そうです、怪獣王も来ていました。
流石はニューヨーク!
到着当日、NYは天気が大荒れだったそうで、その影響で乗り換えのサンフランシスコで4時間余計に待つ事に。JFK空港に着いたのは日付も変わった頃。
翌朝、ホテルのすぐ側のアメリカ自然史博物館へ、、、とその前に開館(10時)より早めに出て、セントラルパークへ。っていうか、博物館がセントラルパークの側なんだけど。

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道には昨日の雪が積もり、シャーベット状。

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博物館の外に止まっていたバス。
開館10分前に博物館に。

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今では恐竜の博物館と言えばロイヤルティレル等も有名ですが、私の子供の頃はなんと言ってもここアメリカ自然史博物館でした。その前にこうして立つ事が出来きる日が来るとは!開館を待っている時間も貴重な経験に思えて来るのです。
開館! もちろんエントランスホールには
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もう現在の恐竜業界のシンボル的な存在の一つと言って良いでしょう。バロサウルスのような竜脚類がこのように体を持ち上げる事が出来たかは、現在では否定的な考えが主流。この展示を計画した時ならではの、時代を表す展示とも言えます。まさに、理屈抜きにカッコイイ。

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で、撮った! ツイッターの恐竜クラスタではお馴染みの「荒ぶるバロサウルスポーズ」。ポージングが甘いのはご容赦を。連れと一緒なら、打ち合わせしながらもっとポーズをバッチリ合わせたり出来たんですけどね(んじゃ、この画像はどうやって撮ったのか?の答えは後ほど)次に挑戦される方、より精度の高い「荒バロ」を!
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もう一方の主人公、アロサウルス。

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でも、このエントランスの展示でコレは!なのはアロでも、親バロでもなく、この仔バロだと。このくらいの成長段階の竜脚類て他になかなか無いですよね。
この博物館の古脊椎動物展示は、時代別ではなく系統関係で構成されているのが特色。

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竜盤類展示室。
ディアトリマ(ガストルニス)等の化石鳥類もこの部屋。

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ティラノサウルス。
展示リニューアル時に新しい復元で組直されたもの。

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アパトサウルス旧復元=ブロントサウルススタイルを再現した縮尺模型。これ凄い良い!欲しい!
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鳥盤類展示室。

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アナトティタン(名前が消えるかも、と言われていますが)
私が子供の時もトラコドンだったりアナトサウルスだったり。骨格は私の子供の頃に本等で見たのと変わらない古い復元。ですが、それも今となっては珍しいですし、昔からの知り合いに会えたようで嬉しかったり。っていうか、数あるエドモントサウルス系の骨格でも、この2体は美男or美女です。

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哺乳類展示室。
恐竜に負けない充実度。そういや、この博物館の古脊椎部門を創設したオズボーンって、ティラノやベロキラプトルの記載で恐竜的には有名ですが、本来は哺乳類が専門。ウマやサイ、長鼻類の化石の研究で有名ですから。

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ウマの進化
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化石種地上性ナマケモノの一群(で良いのかな?)。近縁種や同じ分類群を並べて比較する、という展示コンセプトが全体に一環しています。

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なので、哺乳類括りでこういう事も。系統的に展示するとエダフォサウルスがここに来るのは納得。

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その他、爬虫類、両生類、魚類。
他では見られない骨格がゴロゴロしてます。この辺は、書籍やネットでもあまり画像を見ないので、新鮮感が強くて嬉しい。

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竜脚類の特別展「The World’s Largest Dinosaurs」が開催中。
竜脚類、特にマメンチサウルスをメインに、現在の大型竜脚類の身体機能や生態に関する研究を集めた内容。実物大のマメンチサウルス復元模型が迫力あります。

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ちょっと遅い朝食。地下にある結構大きなフードコートで、タコスが自分で作れたり、いろいろ楽しい。さらに館内には、他にもカフェ等が点在。
午後1時、バロサウルスの下で待ち合わせ。以前から私の恐竜ガレージキットを完成品で購入して下さっている方がNY在住。そこで、今回お宅にお邪魔する事になったのです。待ち合わせ場所には奥様が来て下さりました。到着してからは、ピザを昼食に頂きながら、恐竜話、、、、、、と思ったら、途中、お互い怪獣好きなのが判りさらに盛り上がる。「どのゴジラ映画が一番お気に入りですか?」の質問に「最初のメカゴジラですね」と答えたら「ああ、1974年の奴だね。キングシーサーだ!」と即答。スゲエ!これまでもSVP(古脊椎動物学会)にも参加されていたり、研究者さんとも交流があるそうで、かなりの見識の持ち主。こちらの片言の英語も上手く補って理解して下さり、とにかく話が途切れる事のない数時間。とはいえ、やはりそこは私にとっては不慣れな英語。最後には、簡単な英語ですら呂律が回らなくなるほどに。自分の英語力&英語体力不足を痛感。
という事で、先ほどの「荒バロ」ポーズ画像は、この時迎えに来て下さった奥様に撮って貰ったのです。初対面の方に会うなり、「この恐竜と同じポーズで画層撮りたいので、このアングルでお願いします!」と頼んだのでした。
5時前に、再度博物館へ。閉館は5時45分なので、それまで再度見学&画像撮影。博物館の後、何処かに出かけようかとも思いましたが、疲れと時差ボケが出始めたので、大事を取ってホテルへ。まだ展示をすべて見れていませんし、さらに画像も撮りまくらなければなりませんから、体力温存です。

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メインのミュージアムショップ。
画像は1Fで3Fまであります。

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3Fはこんな感じ。

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こちらは天文系のミュージアムショップ。
さらに他にも小さな(と言っても、他の博物館なら普通の広さ)のショップが。
とりあえず、軽く他の展示も回りましたが、、、、
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広い! 恐ろしいほどに広い!
次の日も開館から5時頃まで居ましたが、結局古生物展示の撮影にほとんど時間使ってしまい、他の展示はじっくり見れなかった、、、、。
閉館時に「出口の判らない方は近くの係員に」と日本語を含め数カ国後でアナウンスされるのも頷けます。
続く
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