カテゴリー「恐竜・古生物」の記事

「プレヒストリック・タイムズ」

2007年4月27日 / 恐竜・古生物

これまでもたまに紹介して来ましたが、
最新号が届いたので再度紹介。

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アメリカの恐竜雑誌「プレヒストリック・タイムズ」
季刊で発行されてます。画像左側が最新号。
右は数年前の号です。ウィリアム・スタウトの表紙がカッコイイ。
内容はというと、新学説を追うというより、
イベント、映画、本、グッズなどの情報に、読者投稿等結構軽いノリ。
といっても、そこは恐竜の本場・アメリカの雑誌、
研究者やアーティストへのインタビュー、
復元についての考察等の記事も毎号掲載。
何度か読者投稿した事があるんですが、
編集者から「サイトもってるなら、そのアドレスも
紹介しておこうか」と、わざわざメールしてくれるフレンドリーさ。
そんな雰囲気が紙面に出てます。

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最新号の「今月の恐竜・ケラトサウルス」ページ。
読者投稿に古今の復元画で構成されてます。
ちなみに「今月の恐竜」とは別に
「今月の古生物」のコーナーが別にあり、
この号ではドエディクルス(渋っ!)。
ネアンデルタール人特集の時は笑ったけど、
そうだよなぁ、確かに古生物だ。
英語が読めなくても、見てるだけで楽しいです。
日本への発送だと、1年間の定期購読で50ドル。
一冊あたり約1500円で、決して安いという訳では無いですが、
毎号結構楽しませて貰ってます。
支払いにはpaypalに口座を開く必要がありますが、
それほど難しくはないです。

オススメ本

2007年4月21日 / 恐竜・古生物

今回は、真面目にオススメの古生物本の紹介。

「The Big Cats and their fossil relatives」サーベルタイガー(スミロドン)に代表されるような、
化石種の大型ネコ科動物の専門書。
イラストも豊富。全身骨格・筋肉図・復元図が
並んでいるのは非常に参考になります。
英語が読めるに越した事は無いですが、
イラストだけでも結構楽しめます。

「Magnificent Mihirungs」絶滅した大型の飛べない鳥・Dromornithidaeを
扱った本。骨格写真・図がかなり充実してます。
この手の動物の専門書はなかなか無いので、
興味のある方は手に入れておいて損は無いかも.
「Glorified Dinosaurs The Origin and Early Evolution of Birds」鳥と恐竜の関係について纏められてます。
化石写真やイラストも多く、しかもすべてカラー。
ただ、イラストに関しては他の媒体からの
引用も多いので、特に目新しい物は少ないかも。
とはいえ、それでも十分にオススメの本です。
著者のChiappe博士とは去年の
SVPのパーティーで同じテーブルになり、
これまた同じテーブルだったマーク・ハレット氏
紹介もして頂き、一緒に「カンパ~イ!」とかしたんですが、
こちらに「ええっと、鳥と恐竜で有名な先生だっけ」
くらいの知識しかなく、おまけに英語力も無いわで
な~~~んにも話せなかったのが悔しいったら。

「Dawn of The Dinosaurs」恐竜時代の初期・三畳紀の専門書。
三畳紀という題材も嬉しいのですが、
何と言ってもあのダグラス・ヘンダーソン氏
イラストを担当しているのがポイント。
質の高い復元画を描かれる古生物アーティストは
数多くおられますが、「古生物がいる風景」を描かせたら
ヘンダーソン氏が一番だと個人的に思っています。
実質、ヘンダーソン氏の画集だった同名の本
「Dawn of The Dinosaurs 」と重複したイラストも多いですが、
その旧「Dawn~」も日本では入手困難ですし、
また文章・骨格図等の資料も充実しているので、
この本を買っておけば問題なしです。

挑戦者あらわる

2007年2月16日 / 恐竜・古生物

(↑サムスピ調で)
昨日、大阪・日本橋のGILLGILL
お会いした、とある方のティラノ。

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恐竜造形に挑戦したのは、約1年前。
このティラノで4作目だそうです。
サイズは約1/15。
最近ではちょっと珍しい派手なポーズ・表現。
とはいえ、最新の学説・復元をほぼ把握した上で、
あえてこの作風(ジュラシックパークの
イメージイラストをベースにしているようです)
を選んでいるので、作品の細かい所まで、
なぜこういう表現をしたのかをキッチリ説明出来るんです。
オマケにまだ非常に若い!
造形テクニック的には、もう私に言える事なんて
何もございません。
なんか褒めてて悔しくなって来た。
いや、是非是非この調子で頑張って下さい。
今後のご活躍を期待してます。
そして、まさかこんな所で京サマネタが
威力を発揮するとは。
いろいろブログに書いてみるもんだ。
京サマ好きに悪い奴いない!

マチカネワニ・シンポジウム その2

2006年12月13日 / 恐竜・古生物

2日目
この日は、現生・化石種のワニの骨格を
スケッチして、それをマチカネワニの骨格と
比較・検討してみよう、という内容。
講師は小林快次先生と桂嘉志浩先生。
この御二人の専門家を迎えて、約20人の参加者で2時間の
ワークショップって結構贅沢な事ではないかと。
スケッチ開始前に、小林先生より
「人間は物を見てるようで見ていない。 
 今回、骨をスケッチして貰う事で
 骨についての理解が格段に深まり、
 これから博物館で骨格を見る時に、
 観察の仕方が随分変わるはずです」
という主旨の事を言われたのですが、実際その通り。
スケッチ中や終了後の小林・桂両先生の解説の時には、
これまでおよそ骨の知識がそれほど無かったであろう
参加者の方からするどい質問が出ていました。
マチカネワニと同種と考えられていた
キシワダワニの復元模型を、
標本を所蔵するきしわだ自然資料館の皆さん
話を伺いながら製作していたのですが、
今回の小林先生の論文&講演で、マチカネワニの復元が
大きく変わる可能性が示唆されたため、
マチカネワニとキシワダワニの関係の再検証も含め、
振り出しに戻った状態に。
つい先日完成した模型もボツとなりそうな訳ですが、
これこそが古生物復元の醍醐味かも知れません。
新発見や学説で生物の姿がどんどん変わるのは、
古生物ならではの楽しさです。
キシワダワニの模型を小林先生に見て頂いた所、
マチカネワニの特徴を絵を描きながら
丁寧に説明して頂いたので、
これはもう一度最初から造らなければ、と。
桂先生の所属される岐阜県博物館のサイト
恐竜の骨格標本が結構充実しています>所蔵標本リストより。
機会があれば是非行ってみたいですね。

マチカネワニ・シンポジウム

2006年12月12日 / 恐竜・古生物

マチカネワニ・シンポジウム1日目
初日は各分野の研究者による講演。
どの先生の話も、非常に分かりやすく、
内容も興味深いものばかり。
また、先生方の話の展開や纏め方に無駄が無く、
この手の講演としては珍しく、スケジュールよりも
若干早く進みました。
そのため、質問時間も結構しっかりとあり、
また最後には、来年新設される大阪大学総合博物館に
展示されるマチカネワニ復元図の草案を
見ながらのディスカッションの時間があったため、
かなり充実した質疑応答が参加者と研究者の間で
行われました。
今回のシンポジウムでは、マチカネワニそのもの
だけの研究についての発表だけではなく、
百原先生による、マチカネワニが棲息していた頃
の植生についての講演、
冨田先生によるマチカネワニと同時代の
哺乳類についての講演と、マチカネワニを取り巻く環境まで
含んだ内容だった事が良かったですね。
桂先生の、マチカネワニの骨格に残る
傷跡からの生態の類推も、先生の話術の巧みさもあり、
非常に面白い(御本人によると、大阪での講演という事で、
笑いの要素を意識して講演内容を組み立てたとの事)。
最後のディスカッションでは、参加者からの
質問に、先生同士でさらにそれを発展させながら
答えを導き出されて行く所に、古生物学の面白さを実感ました。
2日目については、次回

戦利品

2006年11月17日 / 恐竜・古生物

遅くなりましたが、SVPにて購入・入手した物の報告を。

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両生類の1グループ・MICROSAURIAの専門書。
『シュイルトクレーテン・クロコディーレ・ブリュッケエヒゼン』
ワニ・カメ・ムカシトカゲを扱った本。
『ワニと龍』(青木良輔 著)でも紹介されています
(書名の読みも青木氏の本より)。
生体スケッチと、カメなら甲羅の背面・腹面
(種類によっては頭骨も)、
ワニは頭骨の3~4面図スケッチがあり、
文章が読めなくても充分面白い。
読もうたってドイツ語なんで到底無理なんですけど。

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『Encyclopedia of Paleoherpetology』
の獣歯類(Theriodontia)と鰭竜類(Sauropterygia)の巻。
獣歯類は哺乳類型爬虫類(獣弓類)の1グループ、
イノストランケビア等ですね。
鰭竜類はプラコドゥス等の板歯類やノトサウルスやプレシオサウルス
のような首長竜を含みます。
このシリーズ、日本の専門書ではあまりお目にかかれない
古生物が取り上げられ、また図版も豊富なんで全部纏めて
欲しいくらいなんですが、如何せん価格が高いんですよね。
SVPで少しずつ買い足すのが今後の楽しみになりそうです。

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『VERTEBRATE PALEONTOLOGY』
そのものズバリ『古脊椎動物』、
そして著者は故Alfred S.Romer、
脊椎動物・古脊椎動物学の超エラい人。
SVPにおいて優れた研究に送られるローマー賞は
この方にちなんだものです。
初版33年、私が買ったのは53年発行の物ですが、
図版も多いですし、SVP初参加記念として
相応しいかと思い購入。

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マーク・ハレット氏からの頂き物。
といっても、特別なモノじゃなくて
ハレット氏の作品展示コーナーで、
見学の方に配っておられました。

27,28日

2006年10月29日 / 恐竜・古生物

27日  師匠・荒木一成さんと、SHINZENさん
SVPからの帰国祝い飲み会を開いて下さいました。
もちろん、弟子としてはSVP報告の義務があります。
意外にも、この3人だけでの飲み会って初めてで。
今回、師匠どころか家族にさえお土産を買って来なかったので、
お土産代わりにと、カナダ自然史博物館で撮った画像のプリント
(約80枚)を荒木さんに差し上げた所、それで喜ぶ荒木さんに、
「良いもの上げちゃったな」と納得する私。
まぁ、恐竜好きはそういうもんなんですよ。
28日
我が家に泊まったSHINZENさんと共に
からほりまちアートへ。
展示参加されているヨッシーさんにご挨拶と、
ヨッシーさんオススメのNORWORKSを見学。
小難しくなく、直球なデザイン
(って言ったら失礼になっちゃうかな)、
「カッパーカッコイイ」作品です。
相変わらず、体力も戻らないし、風邪も治らない。
SVPで2ヶ月分くらいのエネルギー使い果たした感じ。
もともと体力には自信ないからなぁ~。

会誌&アブスト

2006年10月11日 / 恐竜・古生物

画像左がSVP(古脊椎動物学会)の会誌、
右が今度の学会のアブスト&プログラム集。

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会誌は、今回表紙がPelagosaurus(海棲ワニの1種)の
ジョン・シビックによる復元図。
掲載されているPelagosaurusの論文も、
化石の画像も含めグラフィック面も相当充実していて、
イラストや造形のネタにしてくれと言わんばかり。
SVPの会報に掲載される論文は、化石の画像等が
結構充実していて、英語が読めなくても
見ているだけでも面白いです。
SVPには以前までは会員の紹介が無いと
入会出来ませんでしたが、現在はネットから
簡単な手続きで入れますので、古生物に興味の
ある方、特に恐竜以外の古脊椎動物に興味のある方は
入会しておいて損はないかと。
アブスト(アブストラクト)は論文の内容の要旨を纏めたもの。
アブスト&プログラム集には、今度の学会での発表の
要旨と、発表時間・場所等が纏められています。
発表者別の目次を見ていると、今まで本で見た名前がゾロゾロと。
一応、発表内容チェックしようと試みたんですが、、
120ページ超って、、、、もちろん全部英語(泣)。
さらに、仮に全部読めたところで
現地でその発表を聴いても理解出来る訳も無く。
と、とりあえず日本人の発表だけはチェックしとこうかな
(いや、日本人だって英語で発表するんだけど)。

「ディノコラ」とでも言いましょうか、、。

2006年9月29日 / 恐竜・古生物

アメリカ・デンバー自然史博物館のケネス・カーペンター博士
頂いた資料を元に製作したアンキロサウルスが完成したので
画像を送った所、返って来たのがコレ。


送ったアンキロの画像と、サイトにアップしているティラノの
画像を使って実景に合成しています。
アンキロの手前の木や、恐竜それぞれの足元や影等、
結構仕事が細かい。っていうか、上手い!
カーペンター氏は御自分でも復元画を
描いちゃうような方なので、こういう事もお好きなようです。
ついでに、カーペンター氏にお譲りした
エウオプロケファルスこんな事になっています。
恐竜を作品の題材にしてる者としては、
本物の専門家に評価して頂いた上に、
こういう事までやって頂けるなんて、
まさに「身に余る光栄」ですね。

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