カテゴリー「恐竜・古生物」の記事

エウロパサウルス・アートコンテスト

2011年4月19日 / 恐竜・古生物

ドイツのDinosaurier-Park Muenchehagenで募集された
エウロパサウルス・アートコンテストで選外佳作
(Honorable Mentions)になりました。

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Europasaurus2
作品サイズ 全長約60cm
縮尺 約1/10
エウロパサウルスは、大型竜脚類のブラキオサウルスに近縁(地理的にはギラッファティタン(ブラキオサウルス)・ブランカイにより近縁かな?)と言われていますが、当時の島に生息していたため島嶼性、つまり大人でも全長6m程度と、小型化していた種類と考えられています。

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(「世界最大の恐竜博2006」にて撮影)
最初、コンテストの募集を見た時は、実物大模型の展示メインのいわゆる「恐竜公園」的な施設という事で、子供向けのコンテストと思ったのですが、施設内には化石クリーニングラボや足跡や全身骨格の展示もあるようですし、またコンテストの募集要項には作品製作の参考資料として各論文も挙げられており、本格的な感じも。そもそも今回のコンテストが、施設内にエウロパサウルスの展示新設に伴って、という事ですし、こういう機会でも無いとエウロパサウルスはなかなか造らないだろうな~と、応募してみました。

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何気に苦労したのがオマケの翼竜。エウロパサウルスと全く同じ地層からははっきりと種類や姿が断定出来る翼竜は出ていないようだったので、なるべく近い時期・地域から発見されている翼竜を調べる事になります。で、今回のズンガリプテルス型の姿を選んだのですが、ここで間違えてたらヤバいな~とエウロパサウルス本体の事よりも不安(笑)。結果的にはコンテスト上位陣も同じような選択をしており、安心しました。というか、上位陣はそれくらいの考証は基本というレベルです。
本当はベースももっと凝りたかったんですが、時間とドイツへの作品輸送のための強度を考えると難しかったんですよね。残念です。このコンテストを通じて、ドイツの古生物研究者さんの知り合いも増えましたし、一時的とは言え、ドイツに自分の作品が置かれている、というのは嬉しいものです。

いろいろと

2011年2月19日 / 恐竜・古生物

●2月17日
京都大学の古脊椎動物学ゼミに参加。
その後は恒例の飲み会、、、なのですが、
今回はちょっとお仕事相談。
製作中の作品の監修作業を飲み会の席で。
芯(簡易な骨格状態)を研究者さんにお見せして、
その場で修正点を直接書き込んだり、場合によっては
一端バラして再組み立てしたり。
これまでの一般的な復元とはちょっと違った
イメージになりそうで、これからの作業が楽しみ。
「Extinct Creatures」更新しました。
●その「Extinct Creatures」にはイラストで参加して
貰っているヤマモトさんのブログにプロトケラトプスの
イラスト
が更新されています。
林原自然科学博物館開催の「ようこそ恐竜ラボへ!」で
展示されている骨格を基に描かれています。
丁寧に組み立てられており、個人的にとても
好きな骨格の一つです。

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今、大変な状況の林原ですが、その恐竜・古生物研究に
関しては、非常に素晴らしい標本を多数所蔵、もちろん
これまで重要な研究が行われており、また化石の
クリーニングや修復、展示物製作を担当する
プレパレーターの育成とその活動は国内でも
特筆するべきものです。先のプロトケラトプスの
骨格も研究者とプレパレーターが密に連携出来る
林原の組織だからこその精度だと思います。
今後もこれらの貴重な標本の保存・維持と、研究者・
プレパレーター・その他のスタッフの皆さんの活躍が
良い方向で行われる事を願っています。
日本古生物学会
「林原グループにおける
 古生物学研究事業の今後に関する声明」
(pdf)

「Prehistoric Times」最新号

2011年1月25日 / 恐竜・古生物

久々に、アメリカの恐竜・古生物専門雑誌
「Prehistoric Times」紹介。

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表紙がJames Gurney氏(「ダイノトピア」の著者)なのは
直球としても、その絵の題材がJosephoartigasiaというのが
この雑誌らしいところ(?)
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で、この最新号にはシカゴ大学の古生物アーティスト、
タイラー・ケイラーさんの紹介記事が。
そして、その記事の中に日本の古生物アーティストとして、
また友人として私と小田隆さんの名前を挙げてくれています。
「Prehistoric Times」には私も作品を投稿、掲載して貰った事も
あるのですが、その時くらい、いやそれ以上に嬉しいかも。
他に名前が挙げられているのが、マーク・ハレット氏や
マイク・スクレプニク氏、ゲイリー・スターヴ氏、
ダナ・ブラギネツさんのような実績抜群の方ばかりですし。
そのタイラーさんの作品、日本で発行されている
「恐竜の復元」「ほんとのおおきさ恐竜博」
見る事が出来ます。「恐竜の復元」には、タイラーさんの
作品製作記事も掲載されています。
もう何回もこのブログでも紹介していますが、
未見の方は機会がありましたら書店でちょっと
見て下さると嬉しいです。

特別展記念講演「モササウルスのいた海」

2010年12月24日 / 恐竜・古生物

12月19日
午前中は特別展監修の小西卓哉さんによる展示解説会。
前日のモササウルス化石寄贈の報道の効果もあってか、大勢の方が会場に来られ、中には熱心に質問する中学生も。それも良い質問連発で、小西さん他、私や他の大人達も驚かされました。また、会場には疋田努さんが!事前に知らされていなかったのでビックリ。日本の現生トカゲ研究の第一人者と、トカゲの仲間のモササウルスを海外で研究する小西さんの現生&化石トカゲ(?)研究者2ショットがまさか岸和田で見られるとは! ちょっと感動しすぎてお二人が一緒の画像撮り忘れちまった、、、、(泣)。
午後は前日の古生物復元セミナーに続き、19日はより一般向けの講演「モササウルスのいた海」を開催。
その様子はこちらを。
 沼田町化石館の篠原さんの講演では、私が手がけた復元模型(これはまたいずれ改めて紹介したいと思います)の画像も織り込んでの内容で嬉しかったり。沼田町化石館は、大型首長竜の全身骨格を始め、今回の特別展で展示されているモササウルスの1種クリダステス等、多くの絶滅海棲動物の骨格が展示されており、またいつでも挑戦出来る化石発掘体験コーナーも人気。加えて、道を挟んですぐ側には露天風呂付きホテルに、夏場はホタルも観られると、観光と化石が一度に楽しめる場所でもあります。私も二度伺っていますが、篠原さんの講演を聞いていて懐かしくなりました。また行きたいなぁ。
 次の小西卓哉さんの講演は、前日とは全く違う内容で、また一般向けという事を考慮しつつも、最新の研究を盛り込んだ内容。小西さんのお話を聞いたら必ず魅了されてしまうその美声と、子供も大人も笑えるユーモアであっというまの講演。
 
 最後は小田隆さんによるプラテカルプス復元画制作の講演。こちらも前日よりも幅の広い参加者層を考慮した構成。下書きから完成へ向かっていく過程には、工程の画像が進む度に子供達が身を乗り出して画面を見入っていたのが印象的。
 講演後は、再び特別展会場で小西さんによる解説があり、さらにその後は資料館収蔵庫ツアーへ。
・・・・・
 しっかりと良質な素材を集め、その道のまさに最先端にいるエキスパートを集め、それを広報面でもサポートすれば、お世辞にも規模が大きいとは言えない施設で、さらに古生物といえど恐竜のような知名度も無い題材を中心にした特別展と講演でもここまで楽しめる、人も集まる、という事を実感できた2日間でした。逆に小さな施設だからこそ可能だった部分もあったかも知れません。もちろん、それには今迄の資料館の活動の蓄積、特にチリモン関連の活動での資料館の知名度、スタッフの皆さんの経験に負う部分も大きかったように思います。表には出ない資料館スタッフ、友の会の皆さんの理解とバックアップあっての2日間でした。
 
年明けも、モササウルス展関連の行事は、モササウルス研究会ギャラリートークと引き続き開催されます。残り期間も是非宜しくお願いします。
 これだけのネタ仕入れたんですから、当然プラテカルプスの模型、造らないとな!

23日ギャラリートークやります。

2010年12月20日 / 恐竜・古生物

●12月23日開催のきしわだ自然資料館特別展
「モササウルス」ギャラリートーク、私が担当です。
化石自体の話は専門では無いので、それは次回の
ギャラリートーク担当の方に任せるとして、
私はモササウルスの新復元と復元画の歴史のお話を
メインにやろうかと思っています。
宜しくお願い致します。
●恐竜・古生物イラストブログ
「Extinct Creatures」久々更新。
今回はタニストロフェウスです。
今迄は私とmeribenniさん2人で記事を書いていましたが、
今回からはヤマモトさんにもメンバーに加わって頂く事に
なりました。これで更新頻度が上げれるかな?
簡単なイラストのつもりでも、資料調べ始めるとなかなか
時間が掛かるもので。
・・・・・・・・
18、19日のきしわだ自然資料館でのセミナー&講演
予想外の参加者&盛り上がりで楽しかったです!
レポートはまた後日しますが、参加して下さった皆さん、
ありがとうございました。

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(撮影 LOKI:さん
18日のセミナー開始前に、セミナー企画者としての挨拶中。
ホワイトボードには、毎回恒例(笑)corvoさんこと
小田隆さんの即興イラスト。

ツイッター企画&モササウルス展講演

2010年12月17日 / 恐竜・古生物

●急遽開催が決まったため、こちらでの事前告知が
出来なかったのですが、先日行いましたツイッター企画
「トーキング with パレオアーティスト-
 モササウルス復元画が出来るまで」

内容を纏めました。
また、私の企画ではありませんが、
「植物の葉っぱなどについての雑談」
古植物についての話題もあり、興味深い内容になっています。
●直前になりましたが、12月18、19日、
きしわだ自然資料館特別展「モササウルス」
記念セミナー&講演が開催されます。
18日の古生物復元セミナーでは私も発表です。
19日の午前中には、
特別展監修担当の小西卓哉さんによる展示解説
も行われます。

絶滅魚類大会・応募締切りました

2010年12月1日 / 恐竜・古生物

第3回・古生物立体復元模型大会
「絶滅魚類大会(デボン紀限定)」

応募締切りました。
作品御投稿頂いた皆様、ありがとうございました。
ブログ上での公開は1月下旬を予定しています。
それまで、しばらくお待ち下さい。
とはいえ、魚類という不慣れな分野だけに、
皆さんの作品へのコメントするための勉強が
結構大変そうです、、、、。
で、もちろん私も参加、新作を一つ造りました。

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今回はド直球でダンクレオステウス。
逆に皆さんの予想を外すならコレかな~、とか思いまして、
というのは半分本当なんですが、もう1種他のネタを
造ってメジャーネタとマイナーネタでバランス取ろうとして、
結局間に合わなかった、という次第。
他の参加者の方と公平になるように、作品解説文もすでに
書きあげて、ブログのほうには投稿済みです
(といっても、下書き保存なので、ブログ管理人の私とA.E.Gさん
しか読めませんが)。

紹介

2010年11月26日 / 恐竜・古生物

●先日の名古屋・瑞浪行きを、御一緒した
meribenniさんがレポート
●京都で開催中の作品展の参加作家によるレポート

小田隆

守亜和由紀
RC GEAR
作品展は今日を含めて残り3日。
皆さん、宜しくお願い致します。
・・・・・・・・・・・・・
オマケ
久正人さんの作品展告知記事、という名の怪獣語り。
、、、、ドラコですか、そうですか。
宇宙怪獣のくせに生粋の地球怪獣レッドキングに
あっさりやられる中途半端な感じは確かに
合ってるかも知れません。
ジェロニモンの復活させる怪獣の優先順位ってズレてるよね
(スーツの事情が、とかいう大人の話はナシな)。
>台湾に渡り現地で壮絶な造形勝負を繰り広げた結果
>(仲間の何人かは命を落とされたと聞いています)
>血よりも濃い絆で結ばれた台湾のアーティストの方が4名参加
当初の5人展が9人展になったという事で、
ストーリー的には台湾編が驚邏大四凶殺編、
そして現在、大威震八連制覇編進行中に相当、
と思って頂ければわかりやすいでしょう。
そーだなー、雷電のポジションが理想かなー。

名古屋港水族館>瑞浪市化石博物館

2010年11月21日 / 恐竜・古生物

19日
名古屋でブログ「Extinct Creatures」を共同運営している
meribenniさんと合流。名古屋港水族館へ。

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「歯のあるヒゲクジラ」エティオケタス。
日本でも化石が見つかっています。

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ジゴリーザ
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キタトックリクジラ(現生)。
キタトックリの骨格は初めてみました。
もちろん実物大模型も初めて。
現生&化石種クジラ類の骨格展示が充実しているのです。

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アーケロンも。アーケロン全身骨格は国内では国立科学博物館
にもありますが、名古屋港水族館のは背中側からも見られるのが
ポイント高いです。

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化石種ペンギンの骨格。何気に古生物展示が多い。
トビウオの子供が面白い、というか不思議な感じ。
目玉の一つ、ウミガメ水槽を始め、深海魚等珍しい魚の
展示が多く、遠くからでも訪れる価値のある水族館です。

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素敵な潜水服。
その後、荻野さんとも合流して、東急ハンズ名古屋店内の
地球研究室へ。理科系グッズに化石、鉱物、このコーナーのために
造り下ろされた荒木一成さんの一品物の販売や、RC GEARさん
アクセサリーも。
化石関係に関しては、説明文がなかなかしっかりと書かれていて、
この分野に知識がある方が担当されている事が分ります。

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ニューヨーク・アメリカ自然史博物館のミュージアムグッズも
取り扱い。このバッグを購入。
と、そこで先日「モササウルス研究会」に参加して下さった方と
バッタリ、なんていう嬉しい出来事も。
20日
meribenniさんと共に、瑞浪市化石館へ。

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噂の瑞浪Mioちゃん。特別展開催に合わせて誕生した、
瑞浪市応援キャラクターです。詳細はこちら

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現在開催の特別展の復元画をmeribenniさんが担当
されているのです。

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常設展示のエウリノデルフィス。
他にも常設展示には「え、こんなものが!」と
ちょっと驚きのものもあったり。
と、ここでデジカメのバッテリー切れというアクシデント。
レポートもあっさりめです。申し訳ない。
なので、代わりに

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オマケ。

本の紹介 2つ

2010年11月11日 / 恐竜・古生物

「科学」11月号
特集・恐竜の進化とその時代

2008年のSVPコルバート賞受賞者・平沢達矢さんを始め、
日本人研究者による恐竜と恐竜時代の研究に関する記事が
掲載されています。専門的な内容という事で少し難しい部分も
ありますが、日本でも恐竜研究の最先端が行われ、世界に向けて
発信されている、という事を実感出来る内容になっていると
思います。月刊誌ですので、ご購入希望の方は急がれた方が良いかも。
「びっくりモンスター大図鑑」
このブログでも度々登場している飛車さんこと久正人さんの新刊。
今回は漫画ではなく児童書。といっても「ジャバウォッキー」で
見せた久正人ウソ節は全開。
こちらの久さんブログでも少し紹介されていますが、生物・古生物に
加え歴史・神話までひっくるめて見事にウソついてます。
でも、ツチノコなんて今までのどの説よりも
整合性があるような気も、、、。
このブログを長くお読みの方は、巻末の著者紹介もお見逃し無く。
どこかで見たのがいますよ。
そういや、このお二人とは去年、トークショーやったんですよね。
なかなか凄い組み合わせですが、横で聞いていて楽しかったです。

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