改めて「恐竜の復元」紹介

2008年9月1日 / 恐竜・古生物


「恐竜の復元」無事に発売となりました。
大型書店を2店見たところ、高額な本にも
関わらずどちらも平積み。
てっきり棚差しだと思ってたんですが。
この本ではアメリカでは有名でも、日本では
それほど名前が知られていないであろう
アーティストが紹介されています。
個人的な感想も含めて、ちょっと紹介。
是非、「恐竜の復元」をお手元に置いてお読み下さい(笑)
数々の博物館の復元画を担当しているカレン・カー。
オクラホマ・サムノーブル博物館の壁画は
実際に見ましたが、色使いと照明のせいか
展示標本の背景に溶け込むようで、それでいて
存在感もある作品でした。
このブログでは緒馴染みのタイラー・ケイラー。
今回参加の外国人勢の中では、唯一面識のあるアーティスト。
この本の記事のための新作のネタに
ヘレラサウルスを選ぶのがタイラーらしい(笑)。
芯に頭骨レプリカ使うって卑怯だよな~~~~。
といっても、彼が今まで手がけた頭部復元の多くは、
基となる頭骨自体の復元も彼自身が製作している訳で、
そういう意味では卑怯でもなんでも無い訳ですが。
なんなら、いたって正攻法と言うべきか。
トッド・マーシャルは、アメリカの恐竜・古生物出版物では
人気アーティストの一人。
あの名誉あるランツェンドルフ賞受賞者でもあります。
仲間内で「トゲトゲ」とか「ジャキジャキ」なんて呼んでる
トッド風恐竜は文句無しにカッコイイので、日本でも
もっと人気があっても良いんじゃないかな、と思ったり。
ゲイリー・スターブは、ランツェンドルフ賞4回受賞という
現在の古生物業界最強の造形師。縮小模型だけでなく
実物大模型もこなすので、彼が何回受賞しても文句の
言いようが無い。サルコスクス実物大は圧巻。
全身骨格とセットで展示したら、日本でも注目されると
思うんですけどねぇ。
「世界最大の絶滅ワニ展」なんてどうかなぁ。
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この本のもう一方の見所は、各古生物・恐竜の
研究者による解説文。
研究者の方々は、恐竜や古生物全般に
関しても相当な知識をお持ちですが、
当然ながら、それぞれに専門に研究されている
分野があります。
今回の本では、アーティストの各作品と、
その専門分野に合うように解説文を
書いて頂いている訳で、公式に発表出来るレベルとしては、
まさにその世界の最新情報が詰め込まれていると
言っていいでしょう(もちろん、各研究者の方は
まだまだネタはお持ちなんでしょうけれど)。
学会での発表や、個人的にお会いした時に伺って
「面白い! こんな限られた場所で
 限られた相手だけに話すのは勿体ないな~」
と思っていたネタも紹介されています。
(学会発表というのは、まだ研究途中という物も
多いですし、また個人的に伺った話も、
私がすべてをキチンと理解出来ているか
自信が無いですので、ブログではあまり詳しく
書かないようにしています。)
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画集・作品集としても、専門書としても
見応え読み応え十分だと思います。
これで売れてくれて、第2巻なんて事になれば
本当に嬉しいんですが。紹介して欲しいアーティストは他にも
いますし、興味深い話、解説を書いて頂きたい研究者も
まだまだおられます。
第2巻の時は、自分は完全に読者側でも良いし。
皆さん、是非宜しくお願い致します。

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