アクロカントサウルス製作 その2

2010年9月25日 / 造形・イラスト作品

先日、急遽「大哺乳類展 海のなかまたち」観てきました。
ちょっと無理して行って良かったです。
レポートはまた後日、出来るかな?
アクロカント、続きです。

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ある程度頭骨形状を再現した芯に歯を植えます。

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噛み合わせはこれくらい。

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今回も、閉口時に歯が露出しない、いわゆるトカゲ型表現にします。
唇の土台を付けた状態。

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肉付け中。東部のウロコ等のディテールは粘土乾燥後に
彫りこむ事にします。

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閉口時に歯が見えない表現が再現されている事を
確認した上で、口を開けた状態で固定します。
と、資料を見ていたら鼻の穴の位置がちょっと違うので、
修正する事にします。
前回:アクロカント製作 その1

瑞浪市化石博物館・特別展

2010年9月18日 / 作品展示

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岐阜県瑞浪市・瑞浪市化石博物館特別展・
「よみがえる日本の哺乳類たち」 現在私と古生物イラストブログ
「Extinct Creatures」を共同主催しているmeribenniさんが、
ポスターのゴンフォテリウムを始め、復元画を担当されています。
お近くの方は是非!
そして、ポスター左下には、、、、、。
また機会があれば詳細を報告したいです。

アクロカントサウルス製作(とコンカベナトルについて)

2010年9月14日 / 造形・イラスト作品

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 状態の良い全身骨格があって、結構詳細な論文も出ていて、足跡(といわれている)化石も見つかっている、と資料には比較的困らない恐竜の一つ、アクロカント。後々の楽しみ的に取っておいたネタでもあったのですが、そろそろ造ろうか、という事に。
 Currie, Philip J.; & Carpenter, Kenneth. (2000). “A new specimen of Acrocanthosaurus atokensis (Theropoda, Dinosauria) from the Lower Cretaceous Antlers Formation (Lower Cretaceous, Aptian) of Oklahoma, USA”に掲載の全身骨格図と、立体組み立て全身骨格で違いがあるのですが、基本的なバランスは論文の全身骨格を元に、組み立て骨格の要素を入れて製作です。アクロカントに関しては、前肢の可動範囲の研究もあるので、それを考慮してポーズも決めます(まだ調整中)。

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 去年、大阪で展示された全身骨格。各パーツの精度が高いように見えますし、肩周りの組み立てが奇麗だったりで、好きな組立骨格の一つです。
・・・・・・・
 先日発表されたコンカベナトル(コンカベナトール Concavenator)
背中の瘤と、腕の羽毛の基部の痕(飛羽瘤)で話題になっています。早速、論文をダウンロード(有料)したのですが、そこに掲載の標本画像を見て、気になったところが。報道では「腰の上にこぶ」とありますが、伸びているのはスピノサウルス背中と同じく神経棘という骨で、「瘤」というほどの厚みはありません。なので、どちらかと言えば帆もしくは突起のほうが化石からのイメージ的には近いかな、と。もちろん、そこに脂肪などが付いていれば「瘤」な外観になるかも知れませんが。
 また、「腰の上」とありますが、実際には長く伸びているのは腰の骨の直ぐ前の背中の骨の一部・神経棘。で、腰の部分では逆にまったく神経棘は目立たず、尻尾でまた高くなります。これを化石そのままに表現すると、
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な感じかな、と。
腰の上の部分が凹む事になります。同様の疑問を持たれた方も居られるようで、海外には化石の腰の部分の神経棘が欠けているものとして、そこを補うような表現の(つまり背中の突起から尻尾がなだらかに繋がるような)骨格図を発表されている方も(研究者では無い方ですが)。
論文には
“The neural spines of the sacral and first caudal vertebrae are low, below the dorsal rim of the ilium.”とあります。
腰の部分の神経棘は低い、って事で良いのかなぁ、、、。
腰部分、背中方向から見てみたいですよねぇ、、、
(もちろん、他の部分もあらゆる角度で見てみたいけど。あれだけ見事な保存状態だと)。

御所浦滞在記 その8

2010年9月8日 / 恐竜・古生物

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今回、御所浦・御船では私の作品は掲載されている
書籍の販売もしました。ご購入して下さった方には
サイン&リクエストの恐竜のイラストを描いてます。
お陰さまで、準備した本はほぼ完売しました。
ありがとうございました。
9/1
作品展の撤収も終わり、私も次の日に御所浦を
離れるという事で、打ち上げ飲み会。

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料理の一部。御馳走てんこ盛り。

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ほぼ毎日、皆さんとは顔を合わせていたので、
仲間同士の気軽な飲み会、という雰囲気。
丁度私と同じ期間、熊本大学から学生さんが2人、
バイトに来られていました。そして彼らもバイト期間が終了。
一緒に島を回ったり、いろいろと話をする時間も多く、
随分と御世話になりました。
これで一旦お別れなのが勿体無い。
・・・・・・・
今回、約2週間の熊本滞在でしたが、御所浦・御船では
恐竜・化石にどっぷり浸った毎日でした。
一応、仕事の一環としての滞在ですが、造形が出来ない分
時間はありますし、資料や標本、展示物を毎日見れる訳で、
夏休みと勉強が一度に堪能出来る、贅沢な期間だったと思います。

御船町恐竜博物館は予想以上に良い化石が発見されていて、
また展示物には、国内では他にはあまり見られない骨格も多く
(アラシャサウルスやコリトサウルス、カスモサウルス等)、
さらにワークショップも充実。 学芸員の池上さんは
国内外の学会での発表も数多く、その研究成果が反映されて
小規模ながら恐竜研究の最前線を実感出来る博物館。
御所浦は、白亜紀資料館の展示に始まり、発掘体験、
化石発見地めぐり、町の各所に展示されている化石や
恐竜のオブジェと、とにかく町全体で化石・恐竜を楽しめる場所です。
さらに魚の美味しい事、格別。
是非、日帰りでなく、泊まりがけ、出来れば2泊以上で
ゆっくりと町の雰囲気を楽しんで欲しいところです。

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最後に、御所浦での記念撮影。
今回、お世話になった御所浦・御船の皆さん、本当にありがとうございました。

御所浦滞在記 その7

2010年9月6日 / 恐竜・古生物

ここで、御所浦白亜紀資料館の展示紹介。
以前の紹介(その1その2)と合わせてどうぞ。

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恐竜展示。小規模ながら、恐竜に関しては一通り
解説&展示があります。

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御所浦で発見された植物食恐竜展示。
全身の各部が見つかっています。

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翼竜・トゥプスクアラ。
地上姿勢の骨格はちょっと珍しいかも。

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御所浦産の恐竜化石展示。
日本でも最大級の肉食恐竜の歯が見つかっています。
アクロカントサウルス頭骨は、御所浦産の歯との
大きさ対比用。

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御所浦で発見された哺乳類・コリフォドン。
かなり状態の良い頭骨が見つかっています。

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御所浦の各地層の化石の展示。
御所浦編、あと一回続きます。

御所浦滞在記 その6

2010年9月4日 / 恐竜・古生物

8/30、31
この2日間は予定無し。
チェックした資料を纏めたり、
クルージングツアーに参加したり。

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恐竜足跡化石発掘地。
実際の化石は掘り出され、同じ場所にレプリカが設置されています。

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御所浦で最初に恐竜化石が発見された場所
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白亜紀の壁
各地点の詳細はこちらを。
31日の夜はアクアマリンまつながさん主催の飲み会
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料理しか画像撮ってないや。
アクアマリンまつながさんは、御所浦白亜紀資料館前の
港に設置されている恐竜モニュメント等を
製作されています。
リアルかつ凝った見せ方の作品は地元では有名。
アクアマリンまつながさん作品を見て回るのも
ちょっとした観光になっているとか。
私が御所浦に滞在している間にも、地元テレビ局のニュースで
2度、作品が登場していました。
これからは、さらに復元としても精度の高い恐竜作品を
製作したい、という事で、私のワークショップにも参加して下さり、
またこうして一緒に食事する機会も作って頂きました。
御所浦編 続く

御所浦滞在記 その5(熊本ー御所浦)

2010年9月3日 / 恐竜・古生物

御船町恐竜博物館での
ワークショップの画像を送って頂きました。

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8/27
さて、熊本と言えば阿蘇山、
阿蘇山と言えばラドン、は当然な訳ですが、
熊本市内&熊本城と言えば
ウルトラマンティガ・イーヴィルティガ編
忘れてはいけません!!
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「観光」ではない、「義務」なのだ!
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お!
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という訳で、今回の「スイーツと城」。
売店では、このブログにコメントして下さっている
たくぼん。さんが製作に関わった
拘りの再現度を誇る「熊本城プラモデル」
威風堂々と販売されていました。
城マニア、必携です!
で、夕食前に御所浦へ帰還。
8/28、29
夏休み最後の週末は御所浦白亜紀資料館にて
「恐竜復元画ワークショップ」を開催。
午前中はいつもの内容を行いましたが、
午後は折角博物館での開催という事で、
展示物の大型肉食恐竜の頭骨をスケッチして、
それを元に復元画を描いて貰うという内容に。
初めての試みで、対象年齢は少し上げたものの
それでも難易度が高いかな、と不安もあったのですが、
結果的にはこちらの予想を上回る作品に仕上がっていました。
また、実際に頭骨を間近に見てのスケッチ作業なので、
その作業中にいろいろと頭骨の事や恐竜の事を
話していて説得力があったように思います。

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資料館見学に来ていた子供さんと。
可愛いリアクションだ(笑)。

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お姉ちゃんも一緒に。
御所浦編 続く

御所浦滞在記 その5(御船編)

2010年9月1日 / その他

8/24
午前中は、御所浦白亜紀資料館の資料部屋で
学会誌漁り。

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これも今回の御所浦滞在の目的の一つ。
時間があるので、自分の持っていない学会誌の
バックナンバー等にゆっくり目を通せるのです。
午後に熊本市内へ移動。
船、電車で約2時間半。
その日は市内のホテル泊。
8/25
バスで御船へ。

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御船町恐竜博物館到着。
なかなか出来の良いティラノが出迎えてくれます。
学芸員・池上直樹さんの案内で恐竜化石発掘地を見学。

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この露頭は天然記念物に指定されています。
もちろん、きっちりとガードされています。
博物館の展示は撮影可ですが、ネット公開は不可との事。
現在、まさに研究中の化石も展示されているので、
いろいろと難しい面もあるのでしょう。
それだけ貴重な物が展示されているという事でもあるので、
是非、実際に博物館を見学されるのをオススメします。
また、展示室の様子は博物館サイトで見る事が出来ます。
数多くの内容の恐竜・化石関連のワークショップが
用意されているのもこの博物館の特徴。
見学に行かれる時には、ワークショップの日程を
チェックされると良いかと。
この日は博物館近くの旅館泊。
夕食で隣の席に居られた男性が、とても気さくで、
かつ歴史等に造詣の深い方で、いろいろと話が盛り上がり、
楽しい食事になりました。
8/26
御船町恐竜博物館で、恐竜復元画挑戦ワークショップと
恐竜造形教室
を担当。
相変わらず、画像撮り忘れてますが。
県外の博物館から見学に来て下さった方も居られて、
教室の感想等、いろいろとお話を伺えて勉強になりました。
夜は、皆さんと地元料理で食事。
オススメのお店だけに、これまた美味しい料理ばかり。

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熊本といえば馬刺し&馬レバー刺し。

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だご入り馬汁。
熊本編続く

御所浦滞在記 その4

2010年8月31日 / 恐竜・古生物

8/23
この日も、資料館学芸員さんのご好意で
御所浦巡りの続き。

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御所浦町で一番高い烏峠展望台から。

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ここにも化石が。

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アンモナイト館。
地層から露出している大きなアンモナイトの
その上に立てられています。

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上から見下ろすとこんな感じ。

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前回のパラサウロロフスに続き、ギガノトサウルス鉄骨製骨格
資料館に戻ってからは、展示骨格を元にイラストを製作。
疑問があれば、すぐに展示物を見て確認出来るのが嬉しい。
製作途中の物を学芸員さんに見てもらって、
いろいろ話し合えるのも楽しいのです。

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この日の夕食。地元で採れたアジ等の魚料理。
御所浦編 続く

とりあえずの報告と、お知らせ(追記有り)

2010年8月30日 / 恐竜・古生物

●御所浦滞在記の途中ですが、
昨日(29日)で夏期の講演、ワークショップ、
すべて無事終了しました!
お手伝いして下さった皆さん、参加して下さった皆さん、
ありがとうございました。
この夏は、講演・ワークショップ共に新ネタが多く、不安な部分も
ありましたが、お手伝いの皆さんのサポートと
参加者の皆さんの予想以上の反応・集中力に助けられました。
持ちネタが増えた分、これからもこういう機会が増やせれば
良いな、と思っています。

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御所浦白亜紀資料館でのワークショップから。
その他、ブログでレポート済みのワークショップ、講演纏め
六本木ヒルズ・京都大学総合博物館・日本SF大会・板橋区立教育科学館
●学芸員の方から連絡頂きましたので紹介。
葛生化石館にて開催中の『植物の進化展』にあわせ、
講演会「植物進化のはなし」が開催されます。
講師の大花先生は、学会等でもお話させて頂いた事がありますが、
とても気さくでお話も楽しい方です。
恐竜や古生物を楽しむ上で、絵や模型の背景としても、また
動物達の餌としても植物は重要です。
また、葛生化石館にはペルム紀の最大級の肉食動物と言われている
イノストランケビアの全身骨格が展示されています。
全身組み立て骨格の常設展示は日本国内では
珍しい(唯一?)ですので、未見の方はこれを機会に是非。

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