れヴぃあタン

2010年7月2日 / 恐竜・古生物

先日発表された、新属新種の化石種クジラ
レヴィアタン・メルヴィレイ( Leviathan melvillei)
記事その1記事その2(ちなみに、Leviathanは英語読みだとリヴァイアサンですが、
 学名なので、ラテン語読みに近いレヴィアタンorレビアタン
 になっています)
ツイッターでちょっと盛り上がったので、
発言纏めてみました>こちら
論文も見ましたが、胴体は見つかっていない
ようなので、なかなか全身の復元は難しそうですね。
ハクジラは頭部と胴体の比率が変ると
印象変りますからね。レヴィアタンがマッコウタイプの
頭ならなおさらな感じ。
そもそも、頭部の復元だけでも難しそうだけど。
機会があれば、現生種・化石種クジラの専門家の方にも
いろいろ伺いたいですね。クジラの頭骨の見方の
勉強にもなりますし。

スピノサウルス(2010)

2010年6月25日 / 造形・イラスト作品

スピノサウルス完成です。

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縮尺は約1/25、全長62cm。
マングローブ林が生息環境の一つだった、という説、
歯のエナメル質の酸素同位体の解析からの半水棲説を
基に、マングローブ林の干潟を餌を探して歩いてるシーンを
イメージしていたのですが、今回はマングローブ林ベースは
見送り。凝ったベース造ると梱包・輸送が大変なんですよね。
ベースだけ別にもう一つ用意する、という手もありますが、
時間も無いので今回はここまで。

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前回も紹介しましたが、今回会心、というか
マグレ当たりの爪の塗装。
このスピノ製作に関しては、こちらも,
また関連記事その1その2も。
主な参考資料
・”New Information on the Skull of the Enigmatic Theropod Spinosaurus, With Remarks on its Size and Affinities.”Dal Sasso, C.; Maganuco, S.; Buffetaut, E.; Mendez, M.A. (2005)
Journal of Vertebrate Paleontology, Vol. 25 (4)
・”My theropod is bigger than yours…or not: estimating body size from skull length in theropods”.Therrien, F.; and Henderson, D.M. (2007). Journal of Vertebrate Paleontology 27 (1)
・”Oxygen isotope evidence for semi-aquatic habits among spinosaurid theropods”
Romain Amiot1, Eric Buffetaut, Christophe Lécuyer, Xu Wang, Larbi Boudad, Zhongli Ding, François Fourel, Steven Hutt, François Martineau, Manuel Alfredo Medeiros, Jinyou Mo, Laurent Simon, Varavudh Suteethorn, Steven Sweetman, Haiyan Tong, Fusong Zhang and Zhonghe Zhou. Geology; February 2010; v. 38; no. 2; p. 139-142; DOI: 10.1130/G30402.1
(アブストラクトのみ参考・「恐竜の楽園」2010/02/09(Tue)に日本語での簡単な紹介有り)
「肉食の系譜」・「ナショナルジオグラフィック」2007年12月号
・「恐竜2009 砂漠の奇跡 公式カタログ」

兵庫県立人と自然の博物館

2010年6月20日 / 恐竜・古生物

19日 
兵庫県立・人と自然の博物館へ。

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アメリカマストドン。
前回来た時は、時間が無く駆け足の見学で
画像がほとんど撮れなかったので、リベンジ。

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上から見下ろせるのが嬉しい。

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ミュージアムショップ前にあるトリケラ頭骨。

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後ろからも見れるのは、結構珍しいかも。
という事で、この日の詳細はこちらを。

マチカネワニ(+追記)

2010年6月18日 / 恐竜・古生物

「巨大絶滅動物 マチカネワニ化石
 ―恐竜時代を生き延びた日本のワニたち」

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タイトル通り、一冊丸ごとマチカネワニ。
といっても、現生ワニの画像・記述も多く、
またカラーページも多いので、ワニ本としても
なかなかの内容。

大阪大学総合学術博物館には、マチカネワニの
貴重な実物化石が展示されていますが、
場内は撮影禁止のため、この本に掲載されている
展示画像は資料的価値大。
恐竜以外の、さらに1種の古生物を題材にこれだけの
出版物が出たことが嬉しいですし、それだけ
マチカネワニが素晴らしい標本という事でもあります。
そして、今回、そのマチカネワニの復元の一例として、
私の作品も掲載されています。

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作品制作に関する文章も書かせて頂きました。
その後、このマチカネワニ模型には、
改めて資料を見直して少し気になる部分を
発見したりして、現在多少修正を加えているのですが、
細かい部分なので、掲載されている状態と
大きくは変っていません。
私の作品は別にしても、日本産の古脊椎動物に関する本で、
これだけビジュアル面と情報面が両立した物は
そう多くはありません。研究についても
様々な面からの考察が平易な文章で紹介されており、
「古生物研究って、どんな事をするの?」
という事を知りたい方にも是非読んで欲しい本です。
追記:
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帯をめくると、ここにも、、、、
本製作スタッフの方にも気に入って頂けたようで、
嬉しいです。

「学研の図鑑 恐竜」 増補改訂版

2010年6月16日 / 恐竜・古生物

「学研の図鑑 恐竜」増補改訂版が発売になりました。

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表紙のティラノは小田隆さん画
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裏表紙のティラノ頭部復元模型は私が担当。

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見返しにも私の作品が使用されています。

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今回の目玉の一つ、ティラノ頭骨原寸大ポスター。
流石に全体は入らず、上顎の前半部のみ。
それでも大きさは十分実感出来ます。

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こちらポスターの裏。ここに掲載されている
ティラノ頭部模型は、実際の模型の大きさとほぼ一緒。
流石にこんなサイズの模型造るのは初めて。
ディテール入れ作業を始めて、1/3進んだ時点で、
その大きさにやっと慣れてきたせいか、
あきらかに最初の部分よりも上手くなっているのに気づき、
そうすると最初の部分の下手さが気になりだして、
思い切ってディテールを最初からすべてやり直したり。
時間無かったけど、流石に見過ごせなかったのです。
そして頭にリフレインする「昨日よりも、今日強い!」不慣れが故とは言え、日に日に上手くなる感覚なんて、
そう経験出来るものじゃないです。
研究者さんの監修も、少々の修正でパスし、無事完成。
実は時間の都合上、芯としての簡易な頭骨を
友人でスタイロフォーム慣れしている
鰐亀さんに頼んだのですが、ティラノ頭骨造形は
初めてにも関わらず、ほぼ問題無い形状に
仕上げてくれました。感謝。
っていうか、鰐亀さんいなかったら、
納期に絶対間に合わなかった、、、。
今回の増補で、相当に新しい情報が追加されています。
元々が、情報の精度と使用されている復元画の
レベルの高さでオススメしていた図鑑だったのですが、
今回、自分もこの本に参加出来て非常に光栄な事です。
是非、宜しくお願い致します。

日本古生物学会2010年年会

2010年6月15日 / 日本古生物学会

前回の記事で紹介し忘れてました。

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RC GEAR製・古生物学会75周年記念グッズ。

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こちらは、75周年記念バッグ。
学会参加者への記念品。

小田隆さんの大学の学生さんによるイラスト。
といっても、そこは学会公式バッグ、
しっかり研究者チェック入ってます。
ハンマーの形とか、地層の感じとか。
●12、13日
この2日間は筑波大学にて古生物学会年会。
つくば駅のバス停で、作家・富永浩史さんと合流。
富永さんとは、夏に古生物関係でちょっとした悪巧み(?)を
しており、その打ち合わせ&取材で学会に参加。

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こちらはポスター発表会場。
なお、このブログで学会発表の内容を詳しく紹介しないのは、
学会発表は正式な論文になる前のものなので、扱いがデリケートな
場合が多い事、それに私の知識では発表の主旨を完璧に把握、
かつそれを要約して紹介、というのはなかなか難しい
(というか、自信が無い)点があります。
間違って理解してる可能性もありますし。
それに、学会発表には、現場で実際に見聞きするからこその
楽しさもあるんじゃないかな、とも思ったり。
発表内容に関して気になる方は、学会サイトに
過去の学会の予稿集のデータがありますので、
そちらを参考にされると良いでしょう。

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懇親会
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化石ハンター・大倉正敏さんが、
学会・研究への貢献で表彰。
大倉さんのスピーチ短いから、
良い画像撮り損ないましたよ(泣)
懇親会後も当然二次会。
今回は古脊椎研究者・学生さんメインの
飲み会に混ぜて頂きました。
で、さらにそれでは終わらず、二次会終了後は
同じホテル宿泊の面子で、ホテルのロビーで三次会。
結局、お開きになったのは午前1時。
13日は、午前中は学会会場へ。
その後はRC GEAR横山さんと共に、
アクアプラント・守亜さんが参加している作品展へ。
前もって召還していた漫画家・久正人さんに、
古生物学会帰りの学生さん等も
遊びに来られていて、予想外に楽しい集まりに。
突然、あれだけの濃い面子に会場を埋められてしまった
守亜さん始め、ギャラリーの皆さんには
迷惑掛けてしまいましたが。
今回は、75周年記念行事と年会で、通常よりも
日程が長く、また懇親会に加え75周年記念パーティーが
あったり、日程が長い分、飲み会の回数も多かったりで、
いつもの学会よりも多くの方とお話しが出来たのが
嬉しかったですね。それにRC GEARさん・アクアプラントさんが
出店されていたので、アーティスト側の仲間が期間中
常駐していたのも楽しかったです。
オマケ
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足寄動物化石博物館・澤村寛さんが持っておられた
アショロアバッグ。化石館のオリジナルグッズとか。
良いな~コレ。

日本古生物学会75周年記念行事

2010年6月14日 / 日本古生物学会

10、11日
つくば国際会議場にて古生物学会75周年記念講演
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海外からの来賓・講演者も多く、
講演はほぼすべて英語。

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75周年記念Tシャツ。
デザインは公募されたもの。
デザイン審査員の一人は小田隆さん
こういった学会の企画に小田さんのようなアーティストが
関わる事が出来るというのは、同じような活動をしている者と
しては励みになりますし、一方で、さらにこちらも勉強して
良い作品を造らなければ、と気持ちが引き締まります。

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2日目(11日)の昼過ぎにはこの状態。
予想以上の売れ行き。
今回は、新たな試みとしてアーティストの出店・物販も。

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RC GEAR製・放散虫シリーズ。微化石だけでなく、
その他の分野が専門の皆さんからも好評。
皆さん、嬉しそうに作品を見て、感想や要望を
お話しされていました。
もう一人の出店はアクアプラントs-RIMG1347.jpg
オステオレピスは良いとして、クラッシギリヌスは
攻めすぎのネタ選択だろー(笑)。
他にもシーラカンスフィギュアの展示や、
Tシャツ(現生種ネタだけど)等を販売。
こちらもなかなか好評。
今回の記念行事開催に合わせ、古生物学事典・第二版
出版。

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古生物に興味がある方なら、
手元にあると非常に楽しい&役立つ一冊です。
で、その中の骨質歯鳥類の復元画に私が描いたイラストが
使われています。
これは以前、骨質歯鳥類の復元模型を制作した事から、
お声が掛かった次第。
10日は記念パーティー、11日は講演終了後飲み会。

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学会の重鎮から、学生さん、私のような外野まで
一緒に盛り上がっております。
続く

頂きました!

2010年6月6日 / その他

先日の台湾訪問の折に大変御世話になった
Suchusさんより、1/48アジアゾウが送られてきました。

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レジンで複製したものを塗装をして、ベースまで
付けて下さっています。
この作品は、単に「アジアゾウ」を造った訳ではなく、
「林旺」という名前の、台湾市立動物園で飼育されていて、
台湾の方には馴染み深い個体を再現しています。
形だけでなく、体色・模様までも細かく観察、表現しているそうです。
また、ディテールも、レジン複製後に気になった部分は、
レジン版に更に手を加えて完成させるという拘り。

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1/48という事で、全長約10cm程度の小さなサイズですし、
またポーズや見せ方等に派手さはありませんが、
造形の丁寧さ、「林旺」というゾウへの思い入れと
こだわりが詰まっていて、さらには作者であるsuchusさんの
人柄まで伝わってくるようです。
お宅にお邪魔させて頂いたSkinkさんも、
あの後、素晴らしい作品を制作されています。
こちらの完成品も実際に見てみたいですね~。

スピノ完成、、、、、寸前

2010年5月31日 / 造形・イラスト作品

長らく未塗装のまま放置されていた
スピノサウルス、意を決して塗装開始。
今塗っておかないと、しばらく時間が取れない予感がしたので。

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缶スプレー&筆塗りです。
エアブラシは持ってますが、それほど使う機会は多くは無いです。
別に拘りがある訳じゃなくて、
一番の理由は、使用後&色交換の時の洗浄が面倒、
なんだと思う。缶スプレーも手間を減らすのが目的で
使うので、全て筆塗りでも構わないのです。
「塗装」なんてエラそうに言えない、
どちらかと言えば「ぬりえ」感覚。
もちろん、必要と思えば躊躇無くエアブラシで塗装します
メイの時みたいに)。

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今回、こだわった、、、
というより、上手くハマってくれた感じの爪。
基本的にはこれで完成ですが、あと数日様子を見つつ、
細かい部分に色を加えたり、全体の艶の修正などして
本完成です。

古ホネ団!(+追記)

2010年5月29日 / 恐竜・古生物

27日
長居駅でLOKI:さんと合流。
その日にNatureで発表されたネクトカリスの記事で
復元が大変化した話題で盛り上がりつつ(というか、
従来の復元の大ファンだったLOKI:さんを慰めつつ)、
会場へ到着。
という訳で、この日は
きしわだ古生物ゼミ大阪市大・恐竜愛好会
成安造形大学・小田ゼミ
そしてあの、なにわホネホネ団合同の
大恐竜展見学会、
通称「古ホネ団」(命名 ホネホネ団団員さん)。

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マプサウルス&ギガノトサウルス(撮影 LOKI:さん)
科博開催では無かった組み合わせ。
大阪開催の表メイン(という事は「裏」もあるのです)。

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約8年ぶりにマラウィサウルスが見れたり、、、、
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科博開催よりも至近距離でアウカサウルスが見れたのが
嬉しい。

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(撮影 LOKI:さん)
解説したり、質問したり、議論したりの
見学は楽しいです。

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個人的には、今回の恐竜展・大阪開催の裏メインだと思う
トリケラトプス頭骨。実物化石の展示という事で、
そこは角竜の研究をしているKさんに
解説を、、、、と思ったら、どうしても研究対象の
歯&顎に話が集中し、さらにそこへLOKI:さんが参戦、
内容がどんどん高度に&他のメンバー、置いてけぼり(笑)。
他のメンバーもホネや古生物に関しては、結構な
知識の持ち主ばかりなんだけど。
そして、恐竜展見学の後は飲み会!
ここでホネホネ団団長・西澤さんも合流。

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(撮影 LOKI:さん)
飲み会のテーブル2つをまたぐように
置かれているのはキツネの全身骨格。
今回は集まりに参加できなかった小田隆さんの代わりに
場を盛り上げて来いと密命を受けた(?)ゼミ生さんが
組み立てたもの。
是非ホネホネ団の皆さんに見て欲しいとわざわざ持参。
盛り上がっておりました。
西澤団長オススメのお店だけに、
料理もめちゃ美味しかったし。
今回の集まりについては、
こちらでもレポートされてますので、是非。
トリケラのフリル、えっへん
(でも、Kさんから頭部形状にツッコミ入った(笑))
*追記 LOKI:さんによるレポートが更新されました。
    なかなか充実した内容ですので、是非。

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