「2009年03月」の記事

骨ゼミ

2009年3月28日 / 恐竜・古生物

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毎月恒例の近畿古脊椎動物学ゼミ・通称「骨ゼミ」参加のため、
京都大学へ。
少し早めに京大に到着して、「骨ゼミ」開始前まで
疋田努先生の研究室へ。
と、そこで今まさに私が仕事で製作中の、
ある動物の研究をされている方が。
その日、京都に向かう直前まで作業しながら悩んでいた部分について、
資料を見せて頂くことが出来てほぼ解決。
自分の運の良さに一寸驚く。
今回の骨ゼミは現生のマレーバクの歯についての発表。
古脊椎動物のゼミですが、こうして現生動物の
研究も聴けるのが「骨ゼミ」の面白いところ。
復元模型を造る人間にとっては、化石種・現生種両方の
研究を定期的に聴けるのが嬉しいです。
ゼミ終了後は、これも恒例の懇親会(=飲み会)。

絶滅哺乳類大会用に隠しネタとして製作した作品を持参。
哺乳類造形はまだあまり経験が無いですし、
ネタがネタだけに、研究者の方々にお見せするのは
ちょっと勇気がいったのですが、皆さんの反応は予想以上に良く、
特にある若手研究者の方が非常に興味を持たれて、
「こうやって立体で見るからこそ、考える事、気づく事も
 あるんですよね~。
 僕、この模型で6時間は喋れますよ! 良い作品です」と
嬉しい感想が。
模型を介してのディスカッション、本当に参考になりますし、
楽しかったですね。それだけ研究者から話題を引き出せる
作品を造れたという事は、今後の製作の自信にもなります。
次は10時間くらいしゃべれる作品、目指します(笑)。
その研究者さんからは
「一度で良いから、大型哺乳類の解剖やっておくべきです!
 機会があれば一緒に是非」と。
正直、解剖は苦手で避けていたんですが、
そう言われてしまっては、そろそろ腹括るべきでしょうね~。
と、その前に、その作品をその動物の専門家に御見せする
という難関が待っているのですが。

我孫子市・鳥の博物館

2009年3月22日 / 恐竜・古生物

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「我孫子市・鳥の博物館」へ。
途中、corvoさんと合流。

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博物館前の駐車場で。

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鳥、鳥、鳥
こちらは企画展「日本の鳥・骨格編」
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骨、骨、骨。

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モアの骨格・ディアトリマ(今は学名が変わってガストルニスと
表記される事が多いですが)の復元模型。
ディアトリマの雰囲気が良くて、
受付で学芸員を紹介して頂き、
模型製作の経緯を聴いてみたり
(最近、こういう積極性が身に付いてきた)。
小さい博物館ですが、非常に充実した内容。
展示物に付けられたキャプションも、
細かい所まで気が回っているように思います。
これは、やはり学芸員やスタッフの皆さんの
熱意の現れなんじゃないかな、と。
とても良い博物館でした。
翌日は、神保町古書店街で資料探し
アトリエG-1・奥田さん訪問
>恐竜倶楽部例会に出席、で帰宅。
流石に2週連続東京&これだけ沢山かつ濃い方々に
会っていると疲れ気味。いろんな話を聴きすぎて、
頭も一杯。でも、楽しかったですね~。
皆さん、ありがとうございました!

再び大恐竜展>早稲田大学

2009年3月20日 / 恐竜・古生物

19日、再び大恐竜展へ。
もともとはこちらの予定を先に組んで、
友人にも声を掛けていたのですが、その後に
内覧会・シンポジウムのお誘いが来たので、
2週連続での東京となりました。
今回はcorvoさんアクアプラントさん
RCGEAR横山さん漫画家・久正人さんと会場で合流。

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ニジェールサウルス頭部生体模型。
この模型の製作にあたっては、
頭骨のレプリカを芯として使用するという
我々のような模型作家からすると
卑怯極まりなく(笑)、でもとても羨ましい手法が
採られています>画像等こちら
これは、頭骨復元・生体復元両方を
タイラー・ケイラーさんが担当した、
という事で出来る事。
RCGEAR横山さんは、今回の展示物の
組み立て作業に日本側のスタッフの一人として
参加。その時の苦労話等をいろいろと聴きながらの
見学もまた楽しいのです。
会場内では、真鍋真先生とバッタリ遭遇、
少し立ち話。
その後は、日本一の恐竜グッズコレクター・
田村博さんとも遭遇。

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グッズコーナーで売られていた、
小さいながら妙に出来の良い
トリケラトプスキーホルダー。オススメです。

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今回の公式フィギュア・マプサウルス。
今回は海洋堂製じゃないんですね~。
記念に買おうかどうか迷っていると、何故か
「よし、助けてやるよ」と同行者からカンパが(笑)。
一人200円×4=800円がカンパ。
フィギュアが1050円ですから、私が払ったのは250円。
みんな、オラに元気を分けてくれてありがとう!
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corvoさんデザイン、私が原型製作の
「恐竜のいる風景」シリーズ、完売してました。
ちょっと喜んでいたら、
「箱も結構大きいし、在庫数が少なかったんじゃないの~」
とツッコミが(笑)。それでも完売は完売。嬉しい事です。
会場では、RCGEARマプサウルス・ティラノサウルス
シルバー製頭骨ストラップも販売されています。

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あーだこーだと盛り上がる大人げない人達。
恐竜展の後は、早稲田大学へ移動。

平山廉先生の研究室を訪問。

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当たり前とは言え、
見た事が無い本・資料がギッシリ。

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大隈重信VS早稲田大学講堂
(もしくは灯台に向かう重信ザウルス)
、、、なんとなくそんな構図かな、と思っただけです。
偶然同じタイミングで研究室に来ていた
友人の研究者さん、平山先生と近く韓国料理店で
夕食をご一緒しました。

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久正人さんに頂いたシーラカンスキーホルダー。
ありがとうございます!

大恐竜展記念シンポジウム後編

2009年3月17日 / 恐竜・古生物

シンポジウム後編です。

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お話中のポール・セレノ氏と平山廉氏。

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パトリック・オコナー氏とboropinさん、所十三さん、私。
所さんは直筆イラスト入り「DINO2」をプレゼント。
「DINO2」は、日本語がわからなくても絵だけで
ストーリーがある程度把握出来るようで外国の方にも好評。
私もオコナー氏が研究されたマジュンガサウルス
メインに作品を見てもらう事が出来ました。
今回のためにマジュンガサウルス、ちょっと塗装を
やり直して画像も撮り直したんですよね
(リンク先の画像は塗装修正前)。
と、今度はオコナー氏が私たちに紹介して下さったのが、
プレパレーター(化石のクリーニングや補修・復元の
専門家)のStony Brook大学ジョセフ・グロエンケ氏。

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グロエンケ氏は、前日に大恐竜展会場で「スゴい!」と
盛り上がった、あのマジュンガサウルス頭骨の
クリーニングを手掛けている方。
早速作品のファイルを見てもらうと
マジュンガサウルスに興味を持って頂いたのは
当然なのですが、食いつきが良いのが海棲爬虫類。
で、試しに
「お気に入りの恐竜って何かあります?」と聞いたら
「恐竜、、う~ん、、、、、、ワニが好きなんだよね(笑)。」
なんか、妙にワニ好きのヒット率が高いなぁ。
所さんは彼にも「DINO2」を進呈。
絵を見て考証の確かさを非常に高く評価していました。
こういう反応を何回も見ると、英語版が無いのが
本当に惜しい作品です。

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こちらは、「DINO2」を熱心に読む(見る、かな)
ロドルフォ・コリア氏とホアン・ポルフィリ氏。
お二人の本拠地である南米を舞台にした
エピソードが無いのが残念。
と、他にもいろいろありましたが、懇親会終了。
で、さらに図々しく2次会にまでお邪魔させて頂きました。
参加者はほとんどが内外の研究者で、すっかり研究者側に
馴染んでいるboropinさんは別として、所さん・横山さん
そして私の外野チームはすっかり気後れし
(おまけに皆さん英語で盛り上がってるし(泣))、
「じゃあ、我々は端っこのテーブルでひっそりやりますか」なんて
思っていると、そこへ何と真鍋真先生が!
「真鍋先生がこの席じゃマズいですよ~!」と言っても
「いやいや、良いですよ!」と。おまけに
最新の研究情報や、今回のシンポジウムの内容の解説を
非常に判り易く、じっくりとお話して下さいました。
最後の最後まで贅沢かつ充実した時間でした。
いや~、本当に楽しい2日間でした。
海外の研究者とはSVPで会う機会はあるのですが、
やはり学会という事で皆さん情報交換にお忙しそうで、
私の立場ではなかなか声は掛け難いもの。
セレノ氏なんて、まず捕まえられないですから。
こういう貴重な機会を作って下さった上に、
私のような研究者でもない人間を快く受け入れて下さった
大恐竜展関係者、シンポジウム関係者の皆さんには
厚くお礼申し上げます。
またこのような機会があれば、是非参加出来れば良いな、
と思いつつ、まずはそれまでにもうちょっと、
いやもっと英語どうにかしないとなぁ。
また気を引き締めて頑張ろう。半年後はSVPだし。

大恐竜展記念シンポジウム前編

2009年3月15日 / 恐竜・古生物

3/14は国立科学博物館分館で開催の
大恐竜展記念シンポジウムへ。
基本的に研究者対象の集まりで
通訳無し・英語のみの講演・質疑応答という事で
参加は迷ったのですが、とりあえず場の雰囲気だけでも
味わっておいて損は無いだろうと思ったので。
シンポジウム開始前、会場にいたポール・セレノ氏を呼びとめ、
タブリンさんを紹介。
私は別にセレノ氏と親しい訳ではなく、去年のクリーブランドでの
SVPの時にタイラーさんに紹介してもらって
(セレノ氏はタイラーさんの職場の上司)、
ちょっと挨拶した程度。
今回初対面みたいなもんですが、そこは強気に(笑)。
タブリンさんはネイティブ並みの英語を話せるので、
挨拶後すぐに会話が盛り上がっていて羨ましい。

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タブリンさんは新作ニジェールサウルス頭骨を
セレノ氏にプレゼント。
ニジェールサウルスはセレノ氏が研究・記載された
恐竜なので、プレゼントのネタとしてバッチリなのです。
シンポジウムで講演された研究者は以下の通り
・ポール・セレノ (シカゴ大学)
 恐竜学界の超有名人。ニジェールサウルスやスコミムス
 エオラプトル等の研究・記載。
・アレクサンダー・ケルナー(ブラジル国立博物館)
 翼竜の研究で著名。アンハングエラやタペジャラの記載等。
・パトリック・オコナー(オハイオ大学)
マジュンガサウルスの研究等
・ロドルフォ・コリア(カルメン・フネス博物館)
 ギガノトサウルスの研究・記載等
 
・ホアン・ポルフィリ (コマウエ国立大学)
・ディオジェネス・カンポス (ブラジル地球博物館)
・三枝春生 (国立科学博物館・兵庫県立人と自然の博物館)
 丹波竜の発掘指揮・研究
解説が無い研究者は、私の勉強不足です。
内容については、まだ研究中の物があるという事、
そして私の英語力では理解出来ない部分が
ほとんどという事でここでは割愛します。
セレノ氏は、身振り手振りだけでなく
ただ座っているだけで絵になっていて、
流石は古生物学界のスター。
他の講演者の方もステージを大きく動き、
参加者の反応に合わせて場を盛り上げたりと、
講演というより公演、な雰囲気。
SVP等での学会発表とは違うノリで、
英語が判らずとも何となく楽しめました。
シンポジウムの後は懇親会。
研究者以外の参加者は
「恐竜パンテオン」「恐竜の楽園」
2大恐竜情報サイトの管理人さん達に、タブリンさん
所十三さんboropinさん「肉食の系譜」theropodさん
RC GEAR横山さん等等。
「この面子が集まってて、小田(隆)さんはいないの?」
とか何人かに言われましたよ(笑)。
翼竜の研究で著名なケルナー氏が
近くにおられたので、通訳をboropinさん・タブリンさんに
頼もうと思って見回すと、もうそれぞれすでに他所で
盛り上がり中。仕方ない、自力で行くしか。

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画像がボケちゃってますが。

ズンガリプテルスを是非見て頂きたかったんですよ。
で、まぁ専門的な話題は無理としても、作品の写真は
見て頂き目的達成。ホッとしているとRC GEAR横山さんが
「ケルナーさんにタベジャラの事質問したいんだけど、頼める?」
「、、、が、頑張ってみます、、、」
という事で、再度ケルナー氏のところへ。
今回の恐竜展の図録のタペジャラを見ながら
「え~と、タペジャラってトサカのこの部分が
一体なのと分かれているのと2種類ありますよね。
それって、個体の違いなの、それとも何か他に理由が?」
「あぁ! それは一体なのが正解だよ。
 幼体の頃はまだ一体化はしてないけど、
 それでもハッキリと分かれている訳じゃないよ」
「それって、人間の子供の、、、、、え~~~~~と
(英語が出て来ない)、、、、ここ?」
と自分の頭頂部を指すと
「イエス! そうそう!」
英語の弱さを他の知識と身振りでなんとかカバー。
っていうか、私の英語での会話はほとんど
そんな感じですけれど。
次回に続く。

「大恐竜展」内覧会

2009年3月13日 / 恐竜・古生物

3/14から開催の「大恐竜展」
招待状を頂いたので、初日前日の内覧会へ
行って来ました。
開会式のテープカット。

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ポール・セレノ氏や、ギガノトサウルスの記載等で知られる
ロドルフォ・コリア氏等等
、、、、、、文部科学省副大臣も出席されていたんですが。

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ニジェールサウルス
(クリックすると画像大きくなります)
この骨格と頭骨復元と生体復元模型を
友人であるシカゴ大学タイラー・ケイラーさん
手掛けています。

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アンガトラマ
これの展示は知らなかったので、
不意打ちでビックリ。
スピノ系全身骨格としては久々の新ネタ(なのかな)。

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マジュンガサウルス頭骨~頸椎
レプリカではなく実物です!
マジュンガサウルスは非常に保存状態の
良い全身骨格が発見されていますが、
それとはまた別に、こんなにスゴい標本が
あったんですねぇ。
頭骨の保存状態に加えて、頸椎の関節状態が
本当に見事。
たまたま居合わせた北九州自然史博物館の
薮本先生と「すっごいねぇ~~~」と
感嘆しながら画像撮ってました。

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左の小さいのはメガラプトル。
大きいのは今回の恐竜展の目玉のマプサウルス。
さらに右はマプサウルス幼体。
ちなみに画像左を歩いているのは
奥から所十三さんboropinさん、右腕骨折にも
関わらず取材中の恐竜パンテオンさん
もちろん、まだまだ展示物はあるんですが、
そこはやはり出来るだけ会場で多くの人に
見て頂きたいと思いますので。
会場の科博は常設展示の恐竜・古生物も
素晴らしいので、そちらもお忘れなく!
そうそう、科博のミュージアムショップで
販売中の「milsil」最新号、恐竜特集に
私のティラノサウルスが掲載されています。

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こちらも是非宜しく。
最後に、
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タッチボーンコーナーで盛り上がる
平山廉先生三枝春生先生等、研究者の皆さん。
今まで膨大な数の貴重な実物化石を手にされている
はずなのに、こういう所でもとっても楽しそうなのです。

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