カテゴリー「恐竜・古生物」の記事

御所浦滞在記 その1

2010年8月21日 / 恐竜・古生物

8/20
先月に続き、再び御所浦へ。

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離島という事での船でのアクセス、港には恐竜のオブジェ、
そして目の前に御所浦白亜紀資料館
日本で一番ジュラシックパークのテーマ曲が似合う
シチュエーションかも。
今回は資料館すぐ側の民宿に滞在。
御所浦についたのは午後6時前。
資料館の皆さんに簡単に挨拶の後は、早速宿泊先で夕食。

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地の物を使った料理が並びます。
素材も味付けも抜群!
連泊の場合は、昼食も出ます。
ついでに、無線LANでネット環境もバッチリ。
すぐ側は資料館ですから、
言わば「三食・ネット・恐竜付き」。
私のような人間にはパーフェクトな条件なのです。
熊本・御所浦編、続く

熊本での予定&ワークショプat御船恐竜博物館

2010年8月19日 / 恐竜・古生物

先月に続き、再び熊本県御所浦です。
今回は約2週間の熊本滞在。
滞在期間中は、
8/21-23 御所浦(御所浦白亜紀資料館)
8/24   御所浦から熊本市内へ移動
8/25-26 御船(御船町恐竜博物館)
8/27   熊本市内から御所浦へ移動
8/28-31 御所浦(御所浦白亜紀資料館)
となります。
御所浦白亜紀資料館での作品展と
ワークショップ開催に関してはこちら
加えて、8/26には御船恐竜博物館にて
ワークショップ開催です。

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会場にお越しの際には遠慮なくお声をおかけ下さい。

パンチョさんfromアルゼンチン

2010年8月19日 / 恐竜・古生物

18日
アルゼンチンから研究で日本に来られている古生物学者・パンチョさんこと
Francisco Juan Prevosti氏と京都で合流。

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折角だし、いかにも京都!な所で昼食。
画像手前がパンチョさん。奥は、パンチョさんと同じ食肉類が専門の
荻野慎太郎さん

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出された料理の中の一品。パンチョさん、苦手な食べ物無し。
仲居さんから「おーきに」というお礼の言葉を伝授されたり。
食事中は、私の作品のファイルを見てもらったり、アルゼンチンの古生物の話を伺ったり。日本の子供達の間ではギガノトサウルスとかカルノタウルス等アルゼンチン産の肉食恐竜が結構人気あるよ、と話すとちょっと驚いてました。
昼食の後は、京都大学総合博物館へ標本の調査。
パンチョさんがお仕事中、こちらは荻野さんや、その他京大の学生さんとおしゃべり。

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その際に、とある学生さんから頂いた冊子。
同人誌としてイベントで販売もされているそう。
サイトもあります>こちらカモノハシ好きに悪い人いないんだろうな、と思わせる、ほんわかした雰囲気ながら、要所要所には「さすが研究者!」という本格的な部分も。同人誌でありながら、動物研究の実際を楽しく知る事が出来る、なかなか素敵な本です。著者の学生さんとは台湾国立自然科学博物館のカモノハシ展示の話で盛り上がったり。
パンチョさんの調査終了後は、近くの居酒屋で飲み会。
パンチョさん、日本の歴史が相当詳しい。「モンゴルが日本に攻めて来たときにですね~」と切り出すと「2回来たんだよね」と合いの手。他にも「平家物語」「古事記」なんかも知ってるし。
居酒屋で店員を呼ぶときの、男性の「すいません!」と女性の「すいませ~ん!」の音の伸びの違いが気になる、という指摘が面白い、というか流石研究者? で、その後自ら「すいませ~ん!」と日本語で店員さんを呼んでしまう実行力も流石古生物学者、、、かな?
アルゼンチンを含む南米の研究者や恐竜関係者とは、シンポジウムや学会、ネットでは少し交流もあったりしますが、今回ほどいろいろとお話が出来たのは初めて。パンチョさんのお人柄もあり、楽しい1日になりました。
アルゼンチンは恐竜だけでなく、化石哺乳類も有名な物ばかりですから、一度は行ってみたいですね。

話に尾鰭が付きました

2010年8月12日 / 恐竜・古生物

・モササウルス類新復元に関する論文
“Convergent Evolution in Aquatic Tetrapods: Insights from an Exceptional Fossil Mosasaus”
Johan Lindgren, Michael W. Caldwell, Takuya Konishi, Luis M. Chiappe

こちらにはイラストも。
論文著者・Johan Lindgren氏が以前発表された
モササウルス類のプロトサウルスの論文も興味深いものでした。
今回の発表で復元されているのはプラテカルプス。
尾ビレに関しては、上側の軟組織の部分の跡は未発見と
論文にあるので、これほど綺麗な三日月型かは
あくまで可能性の一つ、という事になるのでしょうか。
尾ビレが目立ちますが、胴体も結構雰囲気が変わります。
こういう研究が進んでいる事は、ちょっと前から伺っていたので、
それでこの1年はモササウルス類は造りたくても造れなかったんですよね。
モササウルス類新復元に関しては、モササウルスの専門家も参加する
某所の企画にちょこっと関わってますので、またいろいろと
お伝え出来るかと思います。

「ほんとのおおきさ 恐竜博」

2010年7月23日 / 恐竜・古生物

「ほんとのおおきさ 恐竜博」s-s-R0011791.jpg
 来週中ごろから、書店に並び始めると思います。
 私とTyler Keillorさんの作品を、実物大に拡大した画像が素材に使われています。
(Tylerの作品は元々実寸大だけど)
 表紙は、そのTyler Keillorさんのニジェールサウルス。

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 私のランベオサウルス。元の模型のサイズは全長約45cm(縮尺1/20)。

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 こちらはTyler Keillorさんのヘレラサウルス。
 同様の実物大がコンセプトの恐竜本は今までも出版されていますが、それらに比べると「ほんとのおおきさ 恐竜博」は、ちょっと対象年齢は低めかな?恐竜の本の要素である「リアル」や「カッコイイ」「迫力」に加え、「かわいさ」や「愛嬌」もあり、ここも他の本とはちょっと違う感じですが、判りやすく楽しい作りになっていると思います。それでも、監修は国立科学博物館の真鍋真先生、画像素材には先述の通り、世界の多くの博物館の復元模型を製作し、2008年のSVP・ランツェンドルフ賞のTyler Keillorさんの作品も起用、さらに動物イラストレーターとして数多くの書籍で活躍されている、いずもり・ようさんによる可愛らしいイラスト、と本格的な布陣になっております。こういう企画に参加出来たのはとても嬉しい。
 先日紹介の御所浦での作品展で展示されていた実物大パネルは、この本の私の作品の撮影を担当されたカメラマン・川嶋隆義さんに画像協力して頂いたものなのです。同様のパネルが、橋区立教育科学館の夏期企画展に於いて、私の作品と共に展示中です。
 ティラノやステゴ、パキケファロの頭骨も実物大で収録されています(もちろん、ティラノは一部だけど)。
博物館でもなかなか至近距離で見る機会は少ないですから、児童書とは言え、資料的価値も大きいですよ。

御所浦白亜紀資料館 その2

2010年7月20日 / 恐竜・古生物

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という事で、前回に続き御所浦白亜紀資料館。
常設展示から
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ステゴケラス。国内では結構珍しいのでは。
私は20年ぶりくらいに見ました。しかもこの至近距離。

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プロトケラ。なかなか質の高いレプリカ。
しかも至近距離で見れるので、資料性高いです。
と、メインの恐竜、哺乳類の展示コーナーを撮影するの
忘れてました。また8月に撮ってきます。
こちらは化石魚類のコーナー。

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パネルの復元イラストは、学芸員・廣瀬さんがPCで作成したもの。
シンプルですが、しっかりと特徴を捉えた良いイラストです。
夏期は企画展と合わせて、毎年行われている「恐竜絵画コンテスト」の佳作以上の作品が展示されています。

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こちらはこれまでのコンテストの優秀作品。
資料館横の公園には、大型模型も。

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このアロは、今回の記事の最初の画像と同じ物。
購入時は、相当に派手な色使いだったのを、
港にあるティラノヘッドを製作された地元業者の方が塗装し直したとの事。
とても雰囲気の良い色になっています。
17日、18日はワークショップ開催。
天草市内や熊本市から船を経由して来られる方も多く、
それだけに皆さん、恐竜に詳しかったり、熱心だったり。
質問すると沢山答えが出ますし、子供だけでなく保護者の方も積極的で、こちらも楽しい時間を持つ事が出来ました。
今回は短い滞在日数という事で、資料館付近しか回っていないので、島の各所に設置されたモニュメント類や化石発掘地の見学等は出来ませんでしたが、それはまた次回の楽しみという事で。
御所浦の事は、これまでも研究者さんや古生物学を勉強している学生さんからいろいろとお話しは伺っていましたが、皆さんのお話の通りの良い所でした。一般見学者、研究関係者等、様々な目的で御所浦を訪れる方へのサポート、心遣いが町全体で行き届いている、という感じです。遠方からのリピーターが非常に多い、というのも頷けます。
8月には、また御所浦滞在、ワークショップも開催です。
宜しくお願いします。

福井県立恐竜博物館・特別展&リニューアル

2010年7月12日 / 恐竜・古生物

7/12
福井県立恐竜博物館へ。
2年ぶり、2度目です。>前回訪問時のの記事
まずは特別展・「アジア恐竜時代の幕開け-巨大恐竜の進化-」から。竜脚類の進化と多様性にスポットが当てられています。

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中国産の恐竜達がズラッと。

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 ほぼ完璧、と言って良いくらいに非常に状態の良いルーフェンゴサウルス頭骨。見事です。

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 マメンチサウルスの中でも状態の良い頭骨が見つかっている事で知られていて、本も出版されているマメンチサウルス・ヤンギの、まさにその頭骨。
マメンチサウルスの復元の上では資料として外せない標本。

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アパトサウルスの子供の全身骨格。

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 今回の目玉の一つ、エウヘロプス
 頭部・首・胴椎と、胴椎・仙椎・腰帯・後肢が発見されています。特にエウヘロプスの首と頭部の保存状態は竜脚類の中でも特に保存状態が良い物の一つのようで、竜脚類の首の可動範囲や姿勢に関する論文には頻繁に(というか必ず?)引用されています。こういう一般には有名では無いけれど、研究の上で重要な標本が多いのも今回の特別展の特色かと。

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 ニジェールサウルス頭骨&私の製作した復元模型。

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 先日発表されたフクイティタン・ニッポネンシスの展示。
 今回の特別展、大きいものから小さいものまで、それぞれの展示物に見所があり、また保存状態の良い貴重な実物化石、日本初公開標本も多く、非常に見応えがあります。さらに、展示の解説がかなり熱い(もちろん、文章が熱い訳ではなく、内容的に「熱い」のですが)。古竜脚類の頬や、大型竜脚類の左右の脚の幅等、論文等では報告があるものの、その発表の折に「恐竜パンテオン」「恐竜の楽園」で紹介された時以外では、日本の書籍等ではあまり言及されていないネタが多数。今回の特別展担当・柴田さんの、竜脚類の様々な最新の研究・情報、そして面白さを伝えよう、という熱意を感じました。
 展示解説はカタログにほぼ収録されているようなので、購入は必須です! 
 で、博物館開館10周年記念リニューアル部分も。

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 ケラトサウルス。恐らく06年の幕張の恐竜博で
展示された物
とのポーズ違いでは、と思うのですが、こちらはポーズがシンプルなので、全身のバランスが判り易いのが嬉しい。

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 オロロティタン。
 変った形のトサカの種類が目立つランベオサウルス類の中で、これだけ直球にカッコいいトサカの持ち主は現代段階では他に居ないかも。
 ですが、トサカの部分はすべてが見つかっていないようで、想像による復元の部分も大きいのでは?、と考えてみたり。それとも、トサカの形状が判るような化石が見つかってるのかな?
参考:“A remarkable hollow-crested hadrosaur
from Russia: an Asian origin for lambeosaurines”
Pascal Godefroit a,,Yuri Bolotsky b, Vladimir Alifanov
)
 ともあれ、なかなか魅力的なトサカです。この骨格を基に模型を造って見たいですね。
 他にも新たに展示がかなり増えていました。すでに恐竜博物館は見学済み、という方でも、特別展とリニューアル部分だけでもまた十分に楽しめるボリュームかと思います。

「世界最古の恐竜博」内覧会

2010年7月10日 / 恐竜・古生物

7/9 「世界最古の恐竜展」内覧会に行ってきました。
今回の恐竜展は、世界中から標本・展示物を集め、構成する
スタイルではなく、アルゼンチン・イスチグアラストから
発掘される化石を研究しているサンファン国立大学自然科学博物館の
収蔵品だけで構成された、ちょっと珍しいスタイルの内容なのです。
また、恐竜時代でも初期にあたる三畳紀が題材なのも、
特筆すべき点です。

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シロスクス、サウロスクスとワニの先祖の系統
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ディキノドン類やリンコサウルス類等、恐竜ではありません。

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今回のメイン、レッセムサウルス(奥・恐竜の1種))と
ファソラスクス(手前・ワニの先祖の系統の内の1種)
当日は生憎の雨でしたが、会場は六本木ヒルズの52階の
展望フロアだけに、東京の夜景に恐竜という、
今までに無いロケーション。

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今回の裏目玉の一つ、リンコサウルス類・スカフォニクスの
実物化石。スカフォニクスはイスチグアラストでは
数多く見つかるのですが、この標本はその中でも
状態が良いものの一つとか。

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今回の恐竜展は、復元模型が多いのも特徴。
見慣れた日本やアメリカ製の
実物大模型とは、またちょっと違う雰囲気が面白い。
これらの模型もサンファン大学の指揮の下、
化石のクリーニング、骨格の復元を担当している工房で
製作されています。実際の骨格を見ながらの模型製作とは
羨ましい限りです。

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早稲田大学・平山廉氏(左)と
今回の恐竜展監修・北海道大学総合博物館・小林快次氏
平山先生には、研究者ならではの視点での
解説をして頂き、勉強になりました。

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内覧会参加者には、イスチグアラスト州産のワインと
食事が振舞われました。
今回の恐竜展は、超大型の骨格や誰でも知っているような
有名な恐竜の展示はありませんが、恐竜の進化の研究上
非常に重要な標本や、恐竜以外の古生物の展示が充実しているので、
古生物の新たな魅力を堪能出来るはずです。
また、まさに「天空の恐竜ミュージアム」のロケーション、
午後10時までの会場時間と、今までに無い試みも。
で、私も会期中、会場内で行われるイベントを一部担当します。そちらも宜しくです。
で、今回の恐竜展グッズコーナーで購入
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サウロスクス(ワニの先祖の系統・恐竜に非ず)バッグ。
こんなネタが図案に採用されるとは!
これは買いでしょ~!
・・・・・・・・・・・・・・

れヴぃあタン

2010年7月2日 / 恐竜・古生物

先日発表された、新属新種の化石種クジラ
レヴィアタン・メルヴィレイ( Leviathan melvillei)
記事その1記事その2(ちなみに、Leviathanは英語読みだとリヴァイアサンですが、
 学名なので、ラテン語読みに近いレヴィアタンorレビアタン
 になっています)
ツイッターでちょっと盛り上がったので、
発言纏めてみました>こちら
論文も見ましたが、胴体は見つかっていない
ようなので、なかなか全身の復元は難しそうですね。
ハクジラは頭部と胴体の比率が変ると
印象変りますからね。レヴィアタンがマッコウタイプの
頭ならなおさらな感じ。
そもそも、頭部の復元だけでも難しそうだけど。
機会があれば、現生種・化石種クジラの専門家の方にも
いろいろ伺いたいですね。クジラの頭骨の見方の
勉強にもなりますし。

兵庫県立人と自然の博物館

2010年6月20日 / 恐竜・古生物

19日 
兵庫県立・人と自然の博物館へ。

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アメリカマストドン。
前回来た時は、時間が無く駆け足の見学で
画像がほとんど撮れなかったので、リベンジ。

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上から見下ろせるのが嬉しい。

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ミュージアムショップ前にあるトリケラ頭骨。

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後ろからも見れるのは、結構珍しいかも。
という事で、この日の詳細はこちらを。

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