福井県立恐竜博物館・特別展&リニューアル

2010年7月12日 / 恐竜・古生物


7/12
福井県立恐竜博物館へ。
2年ぶり、2度目です。>前回訪問時のの記事
まずは特別展・「アジア恐竜時代の幕開け-巨大恐竜の進化-」から。竜脚類の進化と多様性にスポットが当てられています。

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中国産の恐竜達がズラッと。

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 ほぼ完璧、と言って良いくらいに非常に状態の良いルーフェンゴサウルス頭骨。見事です。

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 マメンチサウルスの中でも状態の良い頭骨が見つかっている事で知られていて、本も出版されているマメンチサウルス・ヤンギの、まさにその頭骨。
マメンチサウルスの復元の上では資料として外せない標本。

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アパトサウルスの子供の全身骨格。

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 今回の目玉の一つ、エウヘロプス
 頭部・首・胴椎と、胴椎・仙椎・腰帯・後肢が発見されています。特にエウヘロプスの首と頭部の保存状態は竜脚類の中でも特に保存状態が良い物の一つのようで、竜脚類の首の可動範囲や姿勢に関する論文には頻繁に(というか必ず?)引用されています。こういう一般には有名では無いけれど、研究の上で重要な標本が多いのも今回の特別展の特色かと。

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 ニジェールサウルス頭骨&私の製作した復元模型。

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 先日発表されたフクイティタン・ニッポネンシスの展示。
 今回の特別展、大きいものから小さいものまで、それぞれの展示物に見所があり、また保存状態の良い貴重な実物化石、日本初公開標本も多く、非常に見応えがあります。さらに、展示の解説がかなり熱い(もちろん、文章が熱い訳ではなく、内容的に「熱い」のですが)。古竜脚類の頬や、大型竜脚類の左右の脚の幅等、論文等では報告があるものの、その発表の折に「恐竜パンテオン」「恐竜の楽園」で紹介された時以外では、日本の書籍等ではあまり言及されていないネタが多数。今回の特別展担当・柴田さんの、竜脚類の様々な最新の研究・情報、そして面白さを伝えよう、という熱意を感じました。
 展示解説はカタログにほぼ収録されているようなので、購入は必須です! 
 で、博物館開館10周年記念リニューアル部分も。

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 ケラトサウルス。恐らく06年の幕張の恐竜博で
展示された物
とのポーズ違いでは、と思うのですが、こちらはポーズがシンプルなので、全身のバランスが判り易いのが嬉しい。

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 オロロティタン。
 変った形のトサカの種類が目立つランベオサウルス類の中で、これだけ直球にカッコいいトサカの持ち主は現代段階では他に居ないかも。
 ですが、トサカの部分はすべてが見つかっていないようで、想像による復元の部分も大きいのでは?、と考えてみたり。それとも、トサカの形状が判るような化石が見つかってるのかな?
参考:“A remarkable hollow-crested hadrosaur
from Russia: an Asian origin for lambeosaurines”
Pascal Godefroit a,,Yuri Bolotsky b, Vladimir Alifanov
)
 ともあれ、なかなか魅力的なトサカです。この骨格を基に模型を造って見たいですね。
 他にも新たに展示がかなり増えていました。すでに恐竜博物館は見学済み、という方でも、特別展とリニューアル部分だけでもまた十分に楽しめるボリュームかと思います。

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