カテゴリー「造形・イラスト作品」の記事

「モンゴル恐竜化石展」会場限定フィギュア解説編

2013年2月6日 / 造形・イラスト作品

私が原型製作を担当した
「モンゴル恐竜化石展」会場限定フィギュアの解説編です。
●まずはタルボサウルス
s-2タルボ&サウロロフス_ページ_1
私が子供の頃は、国内で見られる大型肉食恐竜の骨格といえば、
この上を向いて吼える(?)タルボサウルスでした。
まだ尻尾を引きずった復元の頃です。
私と同世代くらいまでの恐竜ファンなら、このタルボに
思い入れのある方も多いのではないでしょうか。

s-画像 005
(京都市青少年科学センターで撮影)
ですので、タルボならこのポーズで造りたい、と提案し、
監修の先生も同意して下さったので、このポーズになりました。
もちろん、尻尾等は現在の研究に合わせアレンジしています。
また、尻尾の太さ・断面形状も近年の学説に合わせ、太め&丸い形状に
してみました。
●次はサウロロフス
sモンゴル恐竜化石展サウロロフスフィギュア2
ウロコは、実際はもっと小さいのですが、
縮尺を考えると再現は不可能なので、ウロコのある動物という事を
表現するために敢えて大きめに強調して造形。
その旨、パッケージにも皮膚跡化石の画像と共に
解説を入れています。
以上のフィギュアは「モンゴル恐竜化石展」会場入り口前のショップで
販売中です。宜しくです!
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ケントロサウルス更新&+α

2012年12月10日 / 造形・イラスト作品

●新作・ケントロサウルスをギャラリーサイトに更新
ケントロサウルス2012恐竜模型フィギュア1
分かっているようで、資料集めたり、いろいろ話を
聞くと結構謎も多い恐竜です。
個人的には、古いスタイルの復元を敢えて残している(のだと思う)
テュービンゲン大学の展示も好きですね。
・・・・・・・・
仕事の合間に息抜き的に造っていた作品もほぼ完成。

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ベースの準備がまだなので、ギャラリーへの更新は先になりますが。
今回資料集めていたら、地味に骨格復元が修正されている事に気づき、
これも研究は進んでいたんだなぁ、と。
と思っていたら、作品完成直前に、コレと同じ属の新標本が学会で
報告されたという情報が、、、、。まだそちらの資料は手に入っていませんが、
どんな姿なのか不安&楽しみが入り混じった状態です。

「モンゴル恐竜化石展」内覧会

2012年11月22日 / 造形・イラスト作品

11月22日
大阪市立自然史博物館で開催の
「モンゴル恐竜化石展」内覧会へ。

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タルボサウルス
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林原の、そして今回の特別展の象徴的な標本と言って良い
タルボサウルス幼体。産出状態のレプリカと
クリーニングされた実物化石が並べて展示されています。

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胃の部分に翼竜の骨が入っているベロキラプトル
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頭骨と首が関節した状態のピナコサウルス
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仰向け状態の大型アンキロサウルス類の骨盤と後肢。
関節した状態の物が多い事、保存状態の良さで
林原のヨロイ竜標本は世界一と言っても良いレベルだとか。
この標本も、一見どうなっているか分かりにくいですが、
横のキャプションと見比べ、じっくり確認して下さい。

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これも相当貴重なトロオドン類頭骨。
小さい標本ですが、学術的な価値は大物級です。

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インゲニア×3
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サウロロフス
いや、これは凄い展示です。
会場にいた、その筋の皆さん平静を装いつつ、でも内心大騒ぎ。
約200点の展示物のうち、レプリカは13点のみ。
つまりほとんどが実物化石。
通常の恐竜展とは、実物とレプリカの数が逆転したような感じです。
しかも、モンゴル産化石特有の保存状態の良さに、
林原自然科学博物館の卓越したクリーニング技術が加わり、
見事な標本ばかりです。さらに、モンゴルから
やってきた追加標本も加わり、ちょっと類のない濃密な展示に。
主催関係者やスタッフの皆さんが躊躇いなく
「凄い展示です!」と言いきれてしまうのも当然でしょう。
恐竜展示としての質の高さでは、単位面積当たりでは
世界一なのでは、とさえ思ってしまいます。
恐るべし、林原&モンゴル科学アカデミーのタッグ。
さて、今回、この恐竜展の公式フィギュア・タルボサウルスの
造形を私が担当しました。監修はもちろん林原自然科学博物館。
足の裏は、林原の標本&研究を元に再現。
また、尻尾の太さや前肢の角度など、論文や資料を極力調べ、
かつ監修指導の元、製作しました。
この手のPVC製恐竜フィギュアで、ここまで学術面でこだわり、
そしてオリジナル性の高い造形はなかなか無いかと思います。
このくらいのサイズ&素材のタルボサウルスフィギュアというのも
他に無いのでは。

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ポーズは、国内での展示も多く見られた古いスタイルの
タルボサウルス骨格を、現代の研究を元にアレンジしたものです。
このポーズに「タルボらしさ」を感じる方も多いのではないでしょうか。
この特別展に、フィギュアという形で少しでも関われたのは
とても嬉しい事なのです。
ご来場の際は、宜しくお願いします!

グアンロン&ストルティオミムス

2012年9月4日 / 造形・イラスト作品

●作品ギャラリーサイトにストルティオミムスを更新。
作品自体は3年前のものですが、ギャラリーのアップは今頃に
なってしまいました。
●こちらは、先日完成したばかりのグアンロン
恐竜模型・フィギュア・グアンロン2021.9
ギャラリーへのアップ、作品の解説はまた後日。
脚がちょっと細すぎるかと思います。
羽毛については、もっと全身にあるのが今の
主流の表現かと思いますが、敢えて今回は
背中だけに羽毛がある表現にしました。
特に何か根拠が、という訳でもないのですが、、。

ケントロサウルス その2

2012年5月8日 / 造形・イラスト作品

前回の紹介ではこんな感じでしたが、、、
少し前の状態ですが今は、
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前肢の手&指の形状を検討中。
ステゴサウルスの前肢についての研究が発表されているので、
それを参考にするのが無難かな。ケントロや他の剣竜類の
資料ももう少し調べてみたいなぁ、等等と思っている所で、
他の作業等が入り、こちらは一旦作業停止中。
そういえば、ステゴサウルス類の専門書って無いなぁ、、、。
といって、あった所でなかなか読めるもんでは無いですが。
まだ「The Dinosauria」のステゴサウルス類の項も
全部読めてない、、、、。

完成&製作中

2012年4月11日 / 造形・イラスト作品

久々の作品紹介
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まずは、キバネコことスミロドン完成。
作品製作に関しては

こちらも。

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ヴェロキラプトル・塗装中。
羽毛恐竜は造形も塗装も羽毛無しに比べかなり時間が
掛かります。今回は尾羽根は無し復元。
造形作業終了直前に参加した、「巨大ワニと恐竜の世界」展の
準備作業
で、ヴェロキラプトルのレプリカをじっくり見れたのが
良かったのです。

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モササウルス類・プラテカルプス。
2010年の発表や、きしわだ自然資料館でのモササウルス講演の時に
伺ったお話等を元に製作していますが、まだいろいろと修正が入るかも。
そもそも、頭を上向きにするか、下向きにするかの
構図も決めていないという。

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最後はケントロサウルス。まだ芯の状態で、尻尾のトゲも
未装着。ケントロサウルスは、去年、ドイツで骨格を見る事が
出来ました
し、その際お世話になった研究者さんによる
ケントロに関する論文も発表、さらに先日の
渡部先生のステゴサウルスに関する講演もあったりと、
いろいろと資料・情報が集まって来たので、
そろそろ造ってみようかと。

スミロドン製作中

2012年1月29日 / 造形・イラスト作品

仕事の合間にスミロドンを製作中です。
ツイッターでは、ちょこちょこ製作過程を紹介しているのですが、
こちらでも纏め記事を。

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まず、簡易に頭骨を。牙の長さもきっちり合わせます。
哺乳類は、肉が付くとと頭骨から形がかなり変わるので、
芯=骨の状態で牙の長さを合わせないと、後付けでは
正確性に欠ける可能性が高くなってしまいます。

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まだ、骨格に近い芯の状態が判ります。

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上の画像の反対側。反面にだけ肉付けして、骨格との
兼ね合いを見ています。

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恐竜は得意、って訳では無いですが、哺乳類はまだまだ不慣れなので、
いつもよりも丁寧に筋肉等を検討しています。

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ここから、まだ毛の表現・量等を検討中なのです。
この作品の製作に関しては、

こちらでいろいろお話しましたので、是非
配信時リアルタイムコメント纏め

ゴンフォテリウム製作 その1

2011年8月3日 / 造形・イラスト作品

久々に製作記事を。

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絶滅象・ゴンフォテリウム。
先日のUstream配信でもちょこっとネタにしました。
耳や前後肢、腹部等がまだ未完成。
鼻もちょっと長過ぎる気がします。

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このゴンフォテリウムやデイノテリウム、プラティベロドン等の
下顎に牙(?)があるタイプの下顎の表現は、結構気を
使う所。歯と唇、粘膜面の関係等をどう判断するか。
象が専門の研究者さんとも話題になる部分です。
今回の作品は、いろんな方にお話を伺った上での
自分判断。完成後のダメ出し覚悟です。

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参考にした資料の一部。
左は、一冊まるまるゴンフォテリウム、しかも保存状態の
良い標本一つについてだけの本。その標本のレプリカ全身骨格は
先日のドイツ行きで実際に見る事が出来ました。
今回、ゴンフォ製作を決めたのもそれがあっての事。
右は東アフリカの哺乳類についての本。
meribenniさんに教えて貰って購入。
何冊かシリーズで出ているのですが、その中の大型哺乳類の巻。
解剖学的な内容もそれなりにあり、イラストも多くて分り易いです。

アクロカントサウルス更新

2011年3月21日 / 造形・イラスト作品

新作・アクロカントサウルスを更新>こちら
アクロカントサウルスは全身骨格が、今開催中の
「大恐竜展 in 恐竜タワー」で展示されています。
個人的に好きな骨格ですので、この機会に是非。
・・・・・・・・・・・・
 ツイッターや、先日のUstream配信(録画し忘れたのですが)でも触れたのですが、海外の恐竜・古生物・造形関係の知人・友人から私や小田隆さん宛てに「大丈夫か」「日本のみなさん、応援してます」というメール・メッセージを頂きました。震災地からは離れていて、停電等の影響も無い身としては申し訳のない思いもしたり。お礼のメールには「あなたの国から救援隊が来てます。ありがとう」と添えています。海外の方々が私だけでなく、日本の同好の士の事も心配して下さっている事もお伝えしておきます。

アクロカントサウルス製作 その6

2011年1月19日 / 造形・イラスト作品

アクロカントサウルス、塗装前状態。

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 特に完成を急ぐ場合は別ですが、造形が終了したら塗装まで1週間ほど時間を置く事にしています。その間に傷やヒビ、ディテールの抜けを見つければ修正し、またどんな色に塗るかもいろいろと検討します。ちょっとした熟成期間のようなもんでしょうか?
アクロカント製作、前回の記事はこちら

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