新作・デイノケイルス
2015年6月24日 / 造形・イラスト作品
新作・デイノケイルスをギャラリーに追加しました。
作品詳細はこちら。
2014年9月23日 / 造形・イラスト作品
フェバリット社・プレヒストリックライフ・シリーズの
1つとして発売中のダンクレオステウス。
そのソフトモデルの原型とビニールモデルの造形監修を
私が担当しました。
今回は、そのソフトモデル用原型製作の際の
監修作業について少し紹介。
ダンクレオステウスの造形にあたっては、化石サメを専門に研究されている
北海道大学総合博物館・冨田武照さんに監修をお願いしました。
以前より、機会があれば是非お仕事をご一緒しましょう、とお話していたので、
今回はその念願叶っての事となりました。
まずは、私が以前個人作品として製作したダンクレオステウスを元に
意見交換。
ダンクレオステウスは、化石として保存状態が良いのは
頭部とそれに続く装甲状の部分のみで、胴体部の情報はほぼなく、
胴体部や各ヒレの形状等は、小型の近縁種で全身のシルエットが
化石に残っていたコッコステウスや、サメ等を参考に
様々な復元が試みられて来ました。
ダンクレオステウス頭部。
クリーブランド自然史博物館にて2008年撮影。
右側の大きな標本が世界中にあるダンクレオステウスのレプリカの
オリジナル。展示解説にも「これがオリジナル」と
誇らしげに(?)紹介されています。
造形開始前のディスカッション中に
冨田さんから送られて来たイラスト。
これが非常に良いイラストで、勿論判り易い。
こちらは、三日月型の尾ビレを持つ、大型サメタイプの復元。
加えて、コッコステウスをベースにした横長の尾ビレでの
復元のものまで「念のために」という至れり尽くせり。
ダンクレオステウスの復元としては、昔からある
よりスタンダードなタイプ。
尾ビレの形状だけでなく、背ビレの形状等にも違いが
出ている事に注目。
今回は三日月型の大型サメタイプ復元で
造形する事に。幾つかの理由の1つとして、
数メートルを越える大きさで、かつ尾ビレを推進力にする動物は
サメもクジラも魚竜も三日月型の尾ビレを持っている事。
その尾ビレがハッキリしないのがダンクレオステウスや
その近縁種、そして例外的に違う姿で復元されていたのが
モササウルス類でしたが、近年ではモササウルス類も三日月型に
近い形状の尾ビレを持っていた事が示唆されています。
という事で、三日月型の尾ビレとしての造形のための
指示書。尾ビレ自体の形状だけでなく、尾ビレの根元の
断面まで解説されています。
というか、冨田さん、イラストが上手いんですよね。
私よりも確実に上手いので、こちらから検討用イラストを
送るときは、ちょっと気不味かったり(笑)。
文とイラスト、両方を冨田さん自身で担当して本が書けると
思います(読んでみたい!)
また、魚の胴体の側面にある側線については、
今回は現生のサメのような凸状ではなく、
化石種としても古いタイプのサメやギンザメのような凹状のラインとしました。
これはダンクレオステウスを含む板皮類が
魚としては系統的に古いため、同じように系統的に古いギンザメや
古いタイプのサメに合わせてみようと言う試みです。
口を開けたポーズでの造形のため、造形&商品生産の段階で
再現出来るか判らなかったのですが、念のため口の中の
状態、鰓の形状を推定して頂きました。
もちろん、口内の軟組織は残っていませんので、これは
あくまで想像ですが、かと言って造らない訳にも行きませんし、
好き勝手にする訳にも行きません。
こうして、完成しました。
ソフトモデルのほうは、商品でもほぼ見事に原型を再現しています。
今後の研究や新標本の発見では、大きく姿が変わる可能性もありますが、
とりあえず現時点で提示出来る精度の高い復元の1つには
なっているのではないかと思っています。
*指示書は、監修の冨田さんの許可を得た上で掲載していますが、
掲載はその一部、また念のため少し小さめの画像としています。
2014年9月15日 / 造形・イラスト作品
ブロントサウルス(手前)とアパトサウルス(奥)です。
ブロントサウルスは、チャールズ R.ナイトが
1930年代にシカゴ・フィールド博物館の依頼で描いた壁画を
立体化したもの。
ブロントサウルスは今では学名がアパトサウルスになっているので、
同じ恐竜の新旧復元の並び、という事になります
ブロントサウルスは以前、このブログでも紹介、
ギャラリーサイトにもアップしました。
で、旧復元があるなら現在の復元も並べたいのが人情(?)。
という事で、同縮尺でアパトサウルスを製作。
2体並べて1つの作品、といった感じでもあります。
改めて、他の竜脚類と比べてもスタンダードなようで
結構変わった恐竜だなぁ、と。
アパトのギャラリーサイトアップはまた後日。
2014年7月26日 / 造形・イラスト作品
新作・ブロントサウルス
尻尾を伸ばせば全長約70cm
1920年代にチャールズ.R.ナイトがフィールド博物館の依頼で
描いた復元画を立体化しています。
自分で造っておいて何ですが、
「あの絵の反対側ってこうなんだなぁ」と感慨深いです。
2013年6月17日 / 造形・イラスト作品
ギャラリーサイトに新作「プラテカルプス」を更新
作品詳細はこちら
このプラテカルプスの新発見に始まったモササウルス類の
尾ビレの考察は、この数年の古脊椎動物の復元の変化の中でも
特に衝撃的でした。とは言え、モササウルス類は尻尾を推進力に使う
大型海棲動物の中では例外的に三日月状の尾ビレを持たないとされていたので、
尾ビレがある、という事になれば、その例外が無くなり、
ちょっとスッキリする部分でもあります。
2013年4月22日 / 造形・イラスト作品
私が製作したウタツサウルス模型です。
サイズは全長約80cm。
監修は魚竜研究で世界的にも
著名な藻谷亮介先生(カルフォルニア大学デービス校)。
まず東北大学総合学術博物館・レスキューコーナーで展示の後、
南三陸町に移動・展示となります。
ウタツサウルスは、最古の魚竜として世界的にも
貴重な、そして日本を代表する中生代爬虫類と
言っても良い動物です。
そのウタツギョリュウ、クダノハマギョリュウ、大型化石両生類の
マストドンサウルス等の化石産地である
南三陸町、そして貴重な化石資料などを展示・紹介していた
魚竜館は東北大震災で被災、その後、標本・展示物のレスキューが
行われています。
この地域の復興と共に、また化石の調査・研究が進み
更に世界から注目される場所になれば、と思っています。
今回の造形では、頭部の形状などが微妙に新復元になっています。
お近くにお越しの際には、是非ちょっと覗いてやって頂ければ。
2013年3月24日 / 造形・イラスト作品