ひょうご恐竜化石国際シンポジウム その2
2013年3月20日 / 恐竜・古生物
ひょうご恐竜化石国際シンポジウム・2日目
この日の会場は、丹波竜化石工房とその隣の山南ホール。
午前中は私と小田隆さんによる講演
「サイエンスカフェ・篠山層群の化石から
白亜紀の生き物を復元する」です。
当初はサイエンスカフェという形式で、定員も30人程度、
会場は丹波竜化石工房セミナー室で、丹波の御菓子とお茶を
楽しみながら、研究者・参加者の皆さんで
恐竜復元を話しのネタに気軽に交流して貰えれば、という
企画だったのですが、参加希望者が直ぐに100人を越えてしまい、
会場も山南ホールに変更。お茶とお菓子も出せなくなってしまいました。
最終的には150人以上の参加者に。
開演の約1時間半前に会場に到着。
まずは研究者の皆さん、丹波竜化石工房を見学。
入り口すぐのガストニアを見るなり
「私の友人だ!」とカークランドさん。
カークランドさんこそが、このガストニアの命名者なのです。
早速ここでガストニア&ヨロイ竜トーク全開。
ガストニア全身骨格のレプリカの展示は
国内ではかなり珍しいかと(常設としては唯一かな?)
また、このレプリカは基になった標本がかなり良い保存状態
という事で、カークランドさんお墨付きのもの。
さらに、この原始的なテリジノサウルス類・ファルカリウスも
カークランドさんが命名。
ユタラプトル、ディアブロケラトプスもカークランドさんが
命名者ですね。
この日から公開開始の、私が製作担当した
2013年版丹波竜模型の前でカークランドさん、
平山廉さんと。
ロマン・アミュさんは模型を見て「鼻孔の位置が
ウィトマー復元になってますね!」と。
細かいところまで、しっかり見てくださっていて嬉しい。
と、その模型自体の画像を撮り忘れたので、
事前に撮っていた画像で紹介。
講演開始直前。
前座として、私の恐竜教室やワークショップではお馴染みの
アレを。
と、そこに事前の打ち合わせ無しで渡部さん乱入。
恐竜漫談が恐竜漫才に(笑)
さて、本番開始。
まずは私が丹波竜模型制作の工程を紹介。
次は小田隆さんが、丹波竜骨格図製作をメインに。
其の後は、研究者の皆さんからコメントを。
カークランドさんからは、私の丹波竜模型の後肢の爪について
ツッコミ(?) その一方で、その部分に関しては新標本が
発見されており、その研究次第でもあるとの情報が。
私も、参考にした資料についてお話する事で
意見の交換が出来ましたし、またカークランドさんが
ただ作品を褒めるだけでなく、しっかり細かい部分まで
見てくださっていた事が嬉しかったです。
1時間30分の講演時間のうち、最後の30分は
参加者全身で丹波竜化石工房に移動、
フリートーク形式という事に。
改めて、多くの皆さんにガストニアを
解説中の先生方。
こちらはファルカリウス解説中。
目の前の恐竜の命名者であるカークランドさん、
獣脚類が専門の對比地さん、
「モンゴル恐竜化石展」の目玉、あのタルボサウルス幼体の
発掘・研究などに関わられた渡部さん、
そしてこの画像には入っていませんが
羽毛恐竜の権威・徐星さんも同じ場所に居られるという
これ以上無い豪華なシチュエーション。
小田さんのイラスト展示。
昼食時間
ロマン・アミョさんが、なにやらゴソゴソ、、、、
と、折り紙丹波竜が完成!
折り紙もですが、本人のポーズも決まりすぎ(笑)
(画像3枚 平山廉さん撮影)
同位体研究という事で、私にとっては英語の壁も高く、
なかなか研究のお話をじっくり出来なかったのは
残念だったのですが、アミョさんは恐竜の復元や研究も詳しく、
また、こちらが模型作家という事で
向こうから話を合わせてくださる気遣いも。
午後からは、所十三さんによる復元画ワークショップ。
私が同じようなワークショップを行うときは約30分ですが、
所さんは1時間30分。時間は3倍ですが、
内容はそれ以上の濃さのはず。
その他、会場では他にも様々な企画が行われていました。
こちらで紹介されています。
一方、午後からは、カークランドさん、徐星さん等と一緒に
「モンゴル恐竜化石展」見学へ。
案内はもちろん、展示されている標本の多くの発掘・研究に
携わってきた渡部さんです。
実物化石はもちろん、今回の展示では数少ないレプリカも
しっかり画像に収めていくカークランドさん。
しかもガッツリなヨロイ竜トーク付き。
ヨロイ竜愛がこちらまで感染します。
このタラルルスについては、以前から不思議に
思っていた事がいくつかあったのですが、
それが今回、カークランドさんのトークで解決・すっきり。
会場では、一般の見学者さんに話しかけられ
しばらくお話されている徐星さん、という場面も。
英語が出来ると、こういう時にお得です。
何せお忙しい先生ですから、こういった機会は
地元の中国・北京でもなかなか遭遇出来ないかも、です。
そして、最後に記念撮影。
この恐竜展には、もう何回も来ていますし、
その展示物の素晴らしさには毎回驚くのですが、
今回はその展示物に負けない豪華なメンバーでの
見学でした。
前回のシンポジウムの時も、
「こんな今までに無い企画が日本の、
しかも東京ではなく関西で開催出来るなんて!」と
驚いたものでしたが、今回はそれを上回る規模・
内容になりました。
恐竜・古生物ファンの皆さんが、その分野の第一線で
活躍する専門家とこれだけの至近距離で話や交流出来る
機会の設定は、主催者側に「応援してくれている方、
興味を持ってくれている方、会場に来てくださる方に、
より楽しんで欲しい」という意識が
強くあったからこそだと思います。
今回のシンポジウムを企画・運営された
兵庫県立・人と自然の博物館、丹波竜化石工房、
またその他のスタッフの皆さんには感謝なのです。
こうなると、また次回も、と期待してしまいますし、
一方で他の地域でも、発掘・研究の進展と共に、
こうした企画が増えれば、と思います。
そして今回の戦利品
カークランドさんからのお土産。
ディアブロケラトプスTシャツに、各パンフレット。
そして、私が製作したメイ・ロンの画像カードに
そのメイの命名者・徐星さんのサインを!
復元に間違いもあるだろうし、ちょっと図々しいかな、
と思ったのですが、思い切ってお願いしてみました。
多分、多少のミスは見逃して下さったのでしょう。
早速、帰宅後フォトフレームに入れて飾っています。
最後に、今回のシンポジウム会場で声を掛けてくださった
皆様、ありがとうございました。
一方で、特に2日目は現場ではバタバタしており、
あまりお話しする時間が取れず申し訳ありませんでした。
他の教室・ワークショップ・集まりの際はもっと
時間も取れることも多いですので、これに懲りずまた
そういう機会に遊びに来て頂ければと思っています。
これからも、宜しくお願い致します。
オマケ
カークランドさん撮影。