きしわだ自然資料館・恐竜ワークショップ&講演
2012年3月16日 / イベント・教室・講演
●3月10日(土曜)
この日は、私と大阪市立大学恐竜愛好会の皆さん担当の
恐竜復元画&粘土造形ワークショップ。
参加者は少なめでしたが、その分、講師担当の私や
古生物学者の荻野さんとみっちり話をしながらの作業。
これはこれで、講師側も楽しかったり。
午後の粘土造形ワークショップでは、特別講師の
渡部真人先生も子供達と一緒に作業に挑戦。
恐竜研究の最前線で活躍する研究者さんが
子供達や、その保護者の方とおしゃべりしながら
作品製作、というレアな事態に。
そして、その渡部先生の作品がコレ。
製作中、芯の骨格パーツがボロボロ取れているので
「な、なんて不器用な、、、、、」と心配していたら、
故意にやっていたという(笑)。
心臓の形状や腸の長さ、肉や関節の損傷の程度等、
妙な拘りが込められた作品。
きしわだの恐竜関連行事の常連の小学生が、先日念願叶って
行くことが出来たという国立科学博物館で撮った写真を
持ってきていました。
これが、なかなかに良いアングルが多く、渡部先生その他も
「コレは資料的にも使えますね」と驚くもの。
画像撮るだけで6時間掛かったというのも、納得。
●翌11日
午前中は前日と同じく恐竜復元画ワークショップ。
これにも渡部先生が参加。本気で描いてました。
(作品の画像撮るの忘れた)。
こちらは、休憩時間中に前日の造形ワークショップで
渡部先生が製作した作品の解説中。
午後は、講演を2部構成で。
第一部は
「日本にはじめて来た”ステギー”
~70年代以降の恐竜展示~」
大阪市立自然史博物館に展示されているステゴサウルス・
愛称”ステギー”の全身骨格は日本に初めて来た
ステゴサウルスで、かつレプリカ全身骨格恐竜としても
日本第一号。
そのステゴ展示に尽力された、当時の大阪市立自然史博の
館長であり、きしわだ自然資料館・名誉館長の千地万造先生の
資料とお話を元にした内容。ご都合により、千地先生の
ご参加は出来ませんでしたが、渡部先生にも加わって頂き、
研究者としての視点からもステギーの存在の重要性、
そして千地先生の尽力がその後の恐竜展示へ与えた影響の
大きさを語って頂きました。
第2部は、渡部先生による
「あきらかになったステゴサウルスの生態」
第1部でステゴの展示の歴史を学んだら、次は最新の研究を
知ろう、という主旨。
これが本当に「最新」の内容。
と言っても、渡部先生の話に堅苦しさはなく、
ステゴの尻尾の断面を描いたつもりが、パチモン変身ヒーローの
顔になり、狼狽する渡部先生、という1コマも。
さらに凄かったのは、講演の後の質疑応答。
最初は緊張もあり、控えめなテンションで質問していた
皆さんも、渡部先生とのやりとりの間に、質問の内容の鋭さと
テンポがどんどん上がっていき、大学院レベルといっても
良いディスカッションに。
そのあたりは、こちらのレポート、
またきしわだ自然資料館のサイトでの紹介も是非。
とにかく、渡部さんのトークとサービス精神、そして研究者としての
熱さに圧倒された2日間でした。