■新作・アノマロケリス更新
2016年4月4日 / 造形・イラスト作品
新作・アノマロケリスをギャラリーサイトに更新しました>こちら
昨年のアメリカ・ダラスの学会に参加の際には、
製作途中の状態で持参し、いろんな方に見て頂いた作品です。
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2016年4月4日 / 造形・イラスト作品
新作・アノマロケリスをギャラリーサイトに更新しました>こちら
昨年のアメリカ・ダラスの学会に参加の際には、
製作途中の状態で持参し、いろんな方に見て頂いた作品です。
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2016年2月26日 / 造形・イラスト作品
模型業界の大先輩(恐竜方面では無く)が製作したインドミナス。
ハズブロ社製トイの改造です。
個人的にインドミナス自体には思い入れはあまり無いんですが、
この作品はツボりました。
元のトイと見比べて見ると、それほどの大改造ではなく、
最小限のディテールアップとバランス調整、そして塗装で
インドミナスのデザインのツボと、トイとしてのアレンジの
良い部分を更に引き出して両立させています。
あのトイを見て、その隠れたポテンシャルを見出すあたりが、
この方らしいなぁ、と。
ラプトル姉妹はPAPO、Collectaの商品をリペイント。
そのチョイスも流石&良く判っておられる(笑)
私宛にメールされて来た画像ですが、あまりにツボだったので
許可を頂いて、こちらでも紹介させて貰う事に。
この方の他の作品にも素敵な物がありますので、そちらもまた
次の機会に紹介する予定です。
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2015年12月18日 / 造形・イラスト作品
ACTOWの恐竜・古生物骨格復元模型制作企画として
デスモスチルスとイグアノドンを製作。
研究者の監修の元、恐竜・古生物に造詣の深い作家により
骨格を3DCGにて製作、それを3Dプリンターで打ち出す、という手法です。
企画その1 デスモスチルス
全長約20cm
CG製作は荻野慎諧さん。
荻野さん自身も古生物学者なので、古脊椎動物として復元の難しさで
知られる束柱類・デスモスチルスをお願いしました。
監修は「デスモスチルスの復元」「恐竜の骨をよむ 」等の著者で、
古脊椎動物復元そして束柱類の権威でもある犬塚則久先生。
パーツはほぼ実物通り、バラバラで製作、それを金属線で組み立ててあるので、
関節の角度の調整等の検討がし易くなっています。
また組立前状態で再出力(3Dプリントアウト)する事も
可能ですし、サイズを変更する事も出来ます。
CG製作最初の段階。
途中段階。
組立の姿勢だけでなく、各骨のバランス、形状も
かなり変更されています。完成までには更にここから多くの修正が入りました。
監修作業での荻野&犬塚両氏のメールのやりとりがまた圧巻。
研究者同士が故の容赦ない専門用語と修正指示の応酬。
あの修正指示を理解&対応出来るのは古生物学者の荻野さんだからこそ。
企画その2 イグアノドン(旧復元)
頭高 26cm
3DCGデータ製作は台湾の許書毓さん。
監修は渡部真人先生(大阪市立大学)。
許さんの骨格CGは学研の図鑑「LIVE 恐竜」のARアプリにも採用されています。
今回のイグアノドン製作では、監修チェックは一発で通ったにも関わらず
「もっと細部まで作りたい」と追加資料を希望して、
自主的に精度を上げたという拘り。
旧復元とはいえ、関節の仕方、ポーズの自然さに抜かり無し。
指のゆるいカーブとかたまりません。
私は資料提供しただけで、その後細かい指示は出していません
(というか、出す必要がなかった)。
こちらは元になった3DCG。
なぜ旧復元かというと、恐竜復元の歴史を説明する教材として、
というのが第一ですが、ベルギーで見た旧復元イグアノドン展示が
素晴らしかった、という個人的な想いも入っています。
もちろん、今回のCG上で新復元に組み直し、それをプリントアウトすれば
新復元骨格模型も製作出来る訳です。
CGを担当してもらった2人は、古生物学者である荻野さんは勿論、
許さんも研究者のチェックに十分対応出来る知識と経験、また普段からの
「学術的な復元」を意識した作品制作の積み重ねがあるため、
予想以上に作業はスムーズに進みました。
逆に言えば、それだけの知識や興味が無ければ、例え良い資料があったとしても
なかなか今回のようなクオリティのものは製作出来ないかと思います。
今後も、こうした研究者と作家の良い組み合わせによる作品制作は
機会があればまた取り組みたいと考えています。
日本を代表する古生物の一つであり、また日本で古脊椎動物の復元を学ぶ時に
避けては通れないデスモスチルス、そして恐竜復元の歴史において重要な位置にある
イグアノドン旧復元の、恐らく世界で他に無いレベルで再現した縮尺骨格模型が
手元にある、というのは、古生物復元に関わる者として嬉しい&贅沢な事です。
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2015年12月1日 / 造形・イラスト作品
新作・パラサウロロフスを
ギャラリーサイトに更新しました>こちら
好きな恐竜の1つなのですが、大きいサイズでは
今まできちんと造った事の無かった恐竜でもあります。
子供の化石も良い物が報告されているので、
メスと子供も揃えてみたいです。
2014年9月23日 / 造形・イラスト作品
フェバリット社・プレヒストリックライフ・シリーズの
1つとして発売中のダンクレオステウス。
そのソフトモデルの原型とビニールモデルの造形監修を
私が担当しました。
今回は、そのソフトモデル用原型製作の際の
監修作業について少し紹介。
ダンクレオステウスの造形にあたっては、化石サメを専門に研究されている
北海道大学総合博物館・冨田武照さんに監修をお願いしました。
以前より、機会があれば是非お仕事をご一緒しましょう、とお話していたので、
今回はその念願叶っての事となりました。
まずは、私が以前個人作品として製作したダンクレオステウスを元に
意見交換。
ダンクレオステウスは、化石として保存状態が良いのは
頭部とそれに続く装甲状の部分のみで、胴体部の情報はほぼなく、
胴体部や各ヒレの形状等は、小型の近縁種で全身のシルエットが
化石に残っていたコッコステウスや、サメ等を参考に
様々な復元が試みられて来ました。
ダンクレオステウス頭部。
クリーブランド自然史博物館にて2008年撮影。
右側の大きな標本が世界中にあるダンクレオステウスのレプリカの
オリジナル。展示解説にも「これがオリジナル」と
誇らしげに(?)紹介されています。
造形開始前のディスカッション中に
冨田さんから送られて来たイラスト。
これが非常に良いイラストで、勿論判り易い。
こちらは、三日月型の尾ビレを持つ、大型サメタイプの復元。
加えて、コッコステウスをベースにした横長の尾ビレでの
復元のものまで「念のために」という至れり尽くせり。
ダンクレオステウスの復元としては、昔からある
よりスタンダードなタイプ。
尾ビレの形状だけでなく、背ビレの形状等にも違いが
出ている事に注目。
今回は三日月型の大型サメタイプ復元で
造形する事に。幾つかの理由の1つとして、
数メートルを越える大きさで、かつ尾ビレを推進力にする動物は
サメもクジラも魚竜も三日月型の尾ビレを持っている事。
その尾ビレがハッキリしないのがダンクレオステウスや
その近縁種、そして例外的に違う姿で復元されていたのが
モササウルス類でしたが、近年ではモササウルス類も三日月型に
近い形状の尾ビレを持っていた事が示唆されています。
という事で、三日月型の尾ビレとしての造形のための
指示書。尾ビレ自体の形状だけでなく、尾ビレの根元の
断面まで解説されています。
というか、冨田さん、イラストが上手いんですよね。
私よりも確実に上手いので、こちらから検討用イラストを
送るときは、ちょっと気不味かったり(笑)。
文とイラスト、両方を冨田さん自身で担当して本が書けると
思います(読んでみたい!)
また、魚の胴体の側面にある側線については、
今回は現生のサメのような凸状ではなく、
化石種としても古いタイプのサメやギンザメのような凹状のラインとしました。
これはダンクレオステウスを含む板皮類が
魚としては系統的に古いため、同じように系統的に古いギンザメや
古いタイプのサメに合わせてみようと言う試みです。
口を開けたポーズでの造形のため、造形&商品生産の段階で
再現出来るか判らなかったのですが、念のため口の中の
状態、鰓の形状を推定して頂きました。
もちろん、口内の軟組織は残っていませんので、これは
あくまで想像ですが、かと言って造らない訳にも行きませんし、
好き勝手にする訳にも行きません。
こうして、完成しました。
ソフトモデルのほうは、商品でもほぼ見事に原型を再現しています。
今後の研究や新標本の発見では、大きく姿が変わる可能性もありますが、
とりあえず現時点で提示出来る精度の高い復元の1つには
なっているのではないかと思っています。
*指示書は、監修の冨田さんの許可を得た上で掲載していますが、
掲載はその一部、また念のため少し小さめの画像としています。