きしわだ講演・リメイク版

2007年12月6日 / 恐竜・古生物


今回は、岸和田でほぼ一緒に行動していた
たかさんに、レポートをお願いしてみました。
いつもの私の文章のように、読者を無視した
ネタの仕込がありませんので、大変読みやすく
楽しいレポートになっております。
それでは、どうそ。
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ふらぎさんより「講演のレポートブログに
のせたいんやけど、わても出とる講演やさかい、ようかけへん。
かわりにかいてくれへんか?」と頼まれ、筆を取ることになりました。
その日、私は一路岸和田に向かっていました。
ふらぎさんも参加される共同企画に向けて
やらねばならぬことがあり大阪方面に行くので、
せっかくの大阪行きということで、スケジュールを
岸和田でおこなわれる北海道大学総合博物館の小林快次さんの
講演にもあわせることにしたのです。
関東もんの私には、岸和田といえば「だんじり」、
そして「清原」くらいの知識しかありません。
しかし数時間の旅の後やってきた岸和田は素敵な街でした。
戦災を逃れた古い町並みが美しく、育つ植物もほのかに
南国の香りを感じさせます。 京都、奈良をはじめ、
歴史ののこる関西では目立たないのかもしれませんが、
この町並みが、糸静線以東に残されていたのであれば、古い家屋は
全て土産物屋になるは、饅頭は発売されるは、知らないおばちゃんが
勝手に家の中に入ってきて見物するはで大変なことになっていたに
ちがいありません。京都奈良のかげで、生活の場として残る古い町。
良いものを見させていただきました。

07.12.6.1.jpg

資料館もきれいで良い展示がされています。古い町並みの近くにあり、
歴史資料の中に地域の自然についての展示があるといった趣です。
だんじりのテレビ番組などで有名なだんじりが
頑張って曲がるクランクもすぐ近くです。
さてさて、講演の内容は午前に4名の方による持ち時間30分のミニトーク。
午後に小林快次さんの「キシワダワニ」についての講演という構成です。
まずは、藤田吉広さん「そっくりさんいらっしゃい・収れん進化の話」。

07.12.6.2.jpg
別の種の生物が環境要因などによって似た姿や機能を持つようになるという話。
絵による比較がわかりやすく、進化のおもしろさを伝える好演でした。
そして、われらがふらぎ兄さんの
「恐竜・古生物模型を造るコツ」。

07.12.6.3.jpg
なんの人かわからないブログ上での
キャラをかなぐり捨て、「恐竜の人」「造形の人」という立場から、
ぼっちゃんも、とおちゃんも、こんなして恐竜つくるンやでえ!と解説。
(ホントはそれほどド根性な感じではありません。)
写真は、「ふぃぎゅあづくりは、1にぷっしゅ。2にぷっしゅや!!」
との解説のくだり。
谷本正浩さん「和泉層群の滄竜類(モササウルス類)」。
大阪近辺で、モササウルスが見つかっているそうです。
モササウルスといえば子どもの頃から図鑑などで
知っている巨大海トカゲ。さまざまな化石資料とともに紹介していただき、
当時海の底だった大阪に思いをはせつつ非常に興味深く聞きました。
渡邊克典さん
「泉州地域の大阪層群でみつかる脊椎動物化石がまだまだおもしろい」。
地元で見つかる脊椎動物の化石の紹介。大昔の大阪近辺の環境を
含めた考察がおもしろい。地元の方ならではの観察が深く繊細で、
土地とその土地にまつわる科学に対しての興味と愛情を感じました。
午後は2時間にわたり、小林さんのマチカネワニ、
キシワダワニについての講演。

07.12.6.4.jpg
大きく2部の構成で、前半はワニという生き物とはなんぞや?
という話を写真、イラストを交えてわかりやすく解説。
後半は、マチカネワニ、キシワダワニを中心とした
日本で見つかった化石ワニ類について、生物学的な検討と
研究の現状が語られました。
今回の講演のきっかけとなったキシワダワニ、そして大阪大学で
見つかったマチカネワニ。資料としての価値もさることながら、
新たな発見の可能性なども含みわくわくする話がありました。
ワニ、おもしろいですねえ。みんなワニって知っているけれど、
じゃあどういう動物って聞かれたら、でかい口でごつごつしていて、
水中に住んでいて、しっぽ強そう、というぐらいのイメージの人が
多いんじゃあないでしょうか?
今回、話を聞いてみると新たな発見がありました。
おそらくは、全ての生き物について同じように
おもしろいことがあるのだろうけど、本で読んだり、
自分で観察して得た情報のほかに、最先端で研究されている方の
話が加わると、知識がむくむくと立体的に生きてきます。
どれほど面白いかは、参加した人の特権ということで、
くわしい内容はおいておきます。こういう機会があったら参加すると
思わぬ興味の引き金が引かれるかもしれませんよ。
小林さんのたまに軽いジョークを交えながらの語り口も楽しく、
あっというまに2時間が過ぎました。
そして、終了後。 私は会場のだんじり会館を見学しようとしたのですが、
残念ながら閉館。 係りの女性からチケット1ヶ月有効なので
また来てくださいねえ、と言っていただいたのですが、
埼玉からなのでちょっとすぐには無理そうですう。と半べそかいたら、
ちょっと待ってくださいと開けてくれました。 思わぬ人情にふれるとともに、
岸和田の人のだんじりにかける熱き情熱に感じ入りました。
だんじり会館、侮れない展示です。 だんじりってだんぢりとも書くらしいす。
My土産にだんじりチョロQも買っちゃいました。
その後、Z氏とともに蛸地蔵を拝みに行き、夜は懇親会。
資料館のみなさんもフレンドリーで、初対面のものにも気さくに接してくれ、
大変有意義な岸和田滞在でした。
ここで一句
岸和田は 祭りに人情 サイエンス
さらに、もう一句
渚から 無数の蛸が あらわれる
あの雑賀衆や根来衆も蛸にはかなわないということです。
この句のひみつが知りたい人は安易にFirefox立ち上げて
検索したりしないで岸和田へGO!だ。
そして、岸和田に行ったら資料館裏の天ぷらやに行くんだ。
うめえぜ(にやり)。

07.12.6.5.jpg
蛸地蔵絵馬
07.12.6.6.jpg
裏の天ぷらや
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あれ? ザビ猫がいないじゃん。
蛸地蔵は、ひこにゃん路線が狙えそうな。
チョロQ化も良さげ。
たかさん、お疲れのところ、早速レポートを
書いて頂き、どうもありがとうございました。
次回、きしわだ自然資料館に行くときは
てんぷら、是非挑戦したいです。
また、こういうイベントで資料館に集まれれば
良いですね。

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