■簡易版・恐竜の作り方

2020年4月22日 / 造形・イラスト作品


私が小学生~中学生の頃に恐竜を作っていた方法です。
ワークショップや講演等で時間があったりした際に
オマケ的に紹介したりもしています。
今でも作品の雛形やイラストのポーズや構図検討用の
小さな模型を作る時はこの方法です。
金属線や瞬間接着剤等、小学生が一人で使うにはちょっと
ハードルが高い材料を使わずに済みます(あれば尚良しですが)。
材料は石粉粘土・石塑粘土ならどれでも良いです。
普通の紙粘土でもゆっくり焦らずやれば大丈夫かと思いますが、
軽量粘土は細かい部分が作りにくいかも、です。



今回作るのはアロサウルス。



粘土で芯を作ります。この状態でしっかり乾燥させます。
全体のバランス、手足の長さ等は骨格図等を参考にしましょう。
芯=簡単な骨格です。
一度自分で完成予想のイラストを描いてみるのも良いですね。



前足の芯その2。
最初に作ってしっかり乾燥させたもの(左上)に
指を追加します。そしてまた乾燥。



同じように後足の芯も造ります。
最初に作ったもの(左上)に指を追加。



前足・後足の芯がしっかり乾燥したら、
柔らかい粘土&少しの水を接着剤代わりに
胴体に付け、しっかり乾燥させます。
右側・左側、片方ずつ行います。



全身の芯が乾燥したら、肉付け&細かい部分を作ります、
一度に作ると、新しい粘土の水分で芯が柔らかくなってしまう時があるので、
頭&乾燥>首&乾燥>胴体&乾燥>前足&乾燥・・・・
と少しずつ作る&乾燥を繰り返します。
筋肉やシワも毎日少しの部分を丁寧に作ると
集中力も続き細かく作れるかと思います。
シワや皮膚の表現は造形的なテクニックも重要ですが、
それ以前に観察力と落ち着いて作る事が大事だと思っています。
今生きているゾウやワニ、オオトカゲ、鳥等を
実際に見たり写真を見てシワや皮膚の参考にしましょう。



下から
・芯の第一段階(本体・前足・後足・指を別に製作)
・手足と本体の芯を粘土&水で接着
・芯に肉付け&細部製作、塗装前状態



芯の状態。頭は肉付けする前に、資料を見ながら
頭の骨の形をもう少し丁寧に再現しています。



絵の具で色を塗って完成。
絵の具も普通の水彩絵の具で大丈夫ですが、
あまり絵の具を水で薄めすぎると粘土が
柔らかくなってしまうので、ちょっと濃い目の絵の具で
塗るのが良いでしょう。


上手く作るコツは、毎日少しずつ作る&しっかり乾燥、を繰り返す事です。
特に芯がしっかりしていると、その後の作業が楽です。
製作時間は1日10~20分の作業でも良いくらいです。
そうして何匹も造ると粘土の使い方や恐竜の体の事が
分かってきて、いろんなポーズも作れたり
一度により広い部分を作れるようになってきます。
ただし、この方法は大きな作品には向きません。
肉食恐竜だと大きくて全長(頭からシッポの先まで)が
30cmくらいが目安でしょう。
また竜脚類や首長竜などの首や尻尾などの細長い部分には
芯に金属線を使わないと壊れやすく(折れやすく)なるでしょう。

・・・・

小学生の頃、休みの日(春休みだったかな?)に粘土はあるんだけど、
針金とか接着剤は無いし、買いに行くのもメンドクサイ、と思って
この方法で作り始めたのを思い出しました。
良く考えたら、粘土の乾燥待ちの時間があるなら
材料買いに行ったら良いのに、なんですけれどね。


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