アメリカ4日目 その2

2007年5月26日 / 2007年 オクラホマ・シカゴ


ちょっと気持を落ち着かせて
タイラーさんの仕事場へ。
それほど広くは無いものの、復元模型製作のための
スペースがしっかり確保されています。
ここで、タイラーさんが製作中の
某獣脚類の頭骨復元模型を見せて頂いたのですが、
これが見事な出来。
「こんなもの見ちゃったら、
 これが正式に発表されるまで、この恐竜は造れないよ~」
と私が嘆くと、
「既存のあの標本やあの論文参考にした、って
 説明したら良いよ。そうすれば同じ結論に
 なるはずなんだから」
と言い訳の方法まで教えてくれるタイラーさん。
古生物の化石というのは
完全な形で見つかる事はまず無く、様々な部分が
欠けた状態なのが基本です。まず、その化石を
岩石中から取り出した後、欠けた部分を人為的に
補足・修正して、あの博物館等で展示されている
骨格になる訳です。足りない部分は、同じ種類の
動物の他の化石や近縁種を参考にします。
つまり、修復作業を行う人物の知識や技術・
参考にする資料によっては、
同じ化石を使っても大きく形が異なるものに
仕上がってしまうという事なのです。
タイラーさんの上司である古生物学者
ポール・セレノ博士は大学にはおられたものの、
会議中という事でお会い出来ませんでした。
まぁ、私のような半端造形家の為に無理にお時間を
取らせる訳にはいきません。
アメリカ最後の夜はタイラーさん夫妻と夕食のため、
まずはタイラーさんのお宅へ。
続く

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